古文語彙一覧 

古文語彙

第1回うるはし・うつくし・かなし・らうたし

うるはし→中宮寺の半跏思惟像、仏の心は完全に整っており、うるはし。

(うるおいを含んだ葉はみずみずしい美しさを持っています。つやのある葉からは生命力、その葉の生きている時間に対しての敬意すら感じます。端正で近寄りがたいほどきちんとしている相手への思い。)

 

垣根がきちんと、うるはしく作ってある。

 

 

 

礼儀正しい、うるはしき人。

 

本格的な、うるはしき儀式。

 

二人は仲が良い、うるはし。

 

 


うつくし→奇・美・七五三の宮参りの子供はかわいく、あいらしい、うつくし。

(うつつとは現実をあらわします。これは本当なのだろうか、今、現実に目にしているものに対して深く感動し胸をつかれるような思いがする。)

 

 

 

 

輪島塗はきちんとしている、うつくし。

 

 

 

うつくしむ→我が子を抱き上げかわいがる、うつくしむ。

 

 


かなし→悲・生まれたばかりの我が子は、かわいくてたまらない、かなし。

(こんなにたくさんのお菓子は食べかねるなどと言います。~かぬは出来ないという意味があります。我慢できないほどの思いを感じている。このいとおしさに胸がしめつけられる。ご両親はあなたを身にしみていとおしいと思っています。)

 

 

 

かなしうす→一人っ子でもあったので、かわいがりなさった、かなしうしたまひけり。

 

 

かなしがる→愛犬をかわいがる、かなしがる父。

 

 

 

かなしぶ→ますますこの娘を愛おしく思い、、かわいがる、かなしぶ。

 

 

 


らうたし→労痛・頑張ったのに不合格だった生徒をいたわってやりたい、らうたし。

(苦労している弱きものに対して心が痛い、助けてやりたい。)

母にしがみついて離れない幼子が、弱々しい感じでかわいく、らうたし。

 

 

 

らうたげなり→顔つきがたいそうかわいらしい、つらつき、いとらうたげなり。

 

 


らうたがる→遊びに来た子供たちを、目をかけてかわいがる、みいれらうたがる。

2022年02月02日

古文語彙2

第2回なまめかし・えんなり・きよし・みやびかなり

なまめかし→しぼりたての果汁(なまジュース)のような汚れのない純粋さと美しさをもった若々しい少女は、上品で優美で、なまめかし。

らうらうじあの大スターは年齢を重ねることで洗練された美しさをもち、らうらうじ(労労じ)

あえかなり→あのモデルは、繊細できゃしゃな、あえかなる感じがする。

 

 

らうあり→ものごとによく通じている、らうある見識。

 

えんなり→艶・霧に包まれた天空の城は、魅惑的な雰囲気を持ち、ひきつけられる感じがして、えんなり。


 

 


あいぎゃうづく→愛敬・夜が更けてから鳴きだしたホトトギスの声は、気品があり、魅力があり、あいぎゃうづく。

 

 

にほひやかなり→匂・たいへん華やかでかわいらしく、つやのある美しさを持ち、にほひやかなる少女。

 

 

 

きよし→大空に浮かぶ、澄み切った満月は気品があり、すっきりと美しく、きよし。

 

 

 

きよらなり→あの黄金の観音像は、最上級の美を持ち、すっきりとあかぬけた感じがして、きよらなり。(清らなりは華やかであり、息をのむような美しさを持つ一流のミスユニバース・きよげなりは、最上級とは言えないまでも、清楚な、清潔な感じの日本美人。)

 

 

 

きよげなり→山吹の花、さっぱりとしてこぎれいで、きよげなり。

 

 

 

さやけし→月の光が、明るくてすがすがしく、さやけし。

 

 

さやかなり→秋が来たと目では、その様子がはっきりしてはいない、あききぬと、めにはさやかにみえず。

 

 

 

けざやかなり→朝日がたいそう、はっきりと、けざやかに、輝きだした。

 

 

 

みやびかなり→宮廷風、都会風の洗練された言葉遣いや行動の見られる、繊細な感受性も持ち合わせている 、みやびかなる引退した宮内庁の職員。

 

 

 

みやびやかなり→生まれつき、上品で優雅であり、みやびやかなり。

 

 

いうなり→優・かぐや姫の容貌は、優雅ですぐれていらっしゃる、いうにおはすなり。

 

 

 

みやび→(里ぶ、ひなびは田舎風)梅の花は、優雅である、みやびたり。風流、みやびを好む都人。

 

 

 

ひなぶ→日無・都から離れた土地の温泉町は、田舎風で、ひなぶ。

 

 

おいらかなり→何でも受け入れてくれるような穏やかな、いつも静かな感じの、田舎育ちの素直な、おいらかなる女性。

 

2022年02月02日

古文語彙3

第3回 さかし・しるし・けやけし・いはけなし・いとけなし

さかし→ノーベル賞の受賞者は知的であり判断力がしっかりしていて、かしこく、さかし。

 

 

 

さかす(栄・才知をあらわす・しむける)あの弁護士は、悪い面でしっかりしていてこざかしく、さかし。(才知はあるが人間味が欠けている)も含んでいる。

 

 

さかしら→差し出がましいことをする親、さかしらする親。

 

 

しるし→著・大きく伸びた会社の業績は、はっきりわかり明白で、しるし。

→そこに何か知られたもの、飛び出た感じがある。他と紛れようがない。天気予報が予想通りだ、天気予報もしるし。

 

 

 

きはやかなり→際・特に目立っている人、きはやかなるひと。

 

 

 


けやけし→普通とは著しく異なっている、けやけき横綱。他に抜きん出てすぐれている。樹木のけやきの語源かもしれない・妄想。

 



いはけなし→ひな人形で遊ぶおさなごは、あどけなく、邪心がなく、いはけなし。

 

 

→言い文(綾)け→いひあやけ・いはけ・言うことが綾(複雑化し混乱している)・年齢的に幼い態度、性格、行動を指す。

 

 

 

いときなし→子供っぽい娘、いときなき娘。いつ(権威・斎)おき(置)無し・権威が横に存在していても、それに対する配慮を持てないレベルのおさなさ。

いとはん(愛らしい娘)→年少者・とても小さいおさなご

 

 

 

 

いとけなし→乳を吸ふ、おさない、いとけなき子・いとけ(幼い感じ)に似たものがない・非常におさない存在。

 

2022年02月02日

古文語彙4

第4回 あはれなり・をかし・おもしろし・すごし

あはれなり→秋の夕暮れの風景は趣がある、あはれなり。生まれたばかりの我が子に対し「ああ」は何か感じる、こんなことがあるのかと思うほど素晴らしい、あはれなり。

これでいいのか、なんとかならないのか、あはれなり。

情趣において(心にしみじみしみてくる)あはれなり。人情において(相手に対し心から愛情を感じる)、あはれなり

 


をかし→スポーツカーは興味深く、をかし。飛び交う蛍はをかし。対象に興味があり、明るい気持ちでクールでかっこいいなあと思う感情。

をこ(愚かなもの)という説もあり、滑稽であるという意味でも使われる。

あはれなりが相手の中に入り込んでいくような感じであるのに対し、をかしは対象を外部から客観的に見て面白みや快感を感じるような表現である。

 

 

 

 

をかしげなり→赤ちゃんのたいそう愛らしい指、いとおかしげなるおよび。

をかしがる→日本語から英語の単語ができたsushiを、興味深く思う、をかしがる。


おもしろし→満開の桜はすばらしい、おもしろし。おも(目の前)しろし(著し・明るくはっきり)目の前が明るくなった感じ。

 

はな→万葉集では、はなは梅、古今集以降が桜。

 

 

能では秘密にするから、芸の魅力なのである、秘すれば、はななり。昔の歌はみなこころばかりを重視して、表現の美しさを忘れている、はなをわすれり。

 

 

かげ→東から西へ大空を渡っていく、日の光、日のかげ。

 

 

 

 

自分のふるえている姿、わがふるひけるかげ、が映っている。母の面影さえ覚えていない、ははのかげだにおぼえず。

すごし→あられの降る夜はぞっとするほど寂しく、すごし。

幽霊屋敷はぞっとするほど恐ろしく気味が悪く、すごし。→直(直ぐ・じかに)過(度を超している)醜(しこ・強く恐ろしい)。寒く冷たく骨身にしみて、すごし

 

 

すごげなり→深い森を、不気味に思っている、すごげにおもひたり。

 

2022年02月02日

古文語彙5

第5回 

あさまし・すさまじ・うたてし・うし

あさむ→こぶとりじいさんの踊りに、鬼たちは驚きあきれる、あさむ。

 

 


あさまし→これはどうしたことかと思いがけず驚くばかりで、あさまし。飢饉になってあきれるほどひどいことがございました、あさましきことはべりき。

 

あさましくなる→とうとう、お亡くなりになられた、つひに、あさましくなりたまひぬ。

 

おもはずなり→思いがけない男と女のなかであるなあ、おもはずなる世なりや。

 

 

 

あさましがる→びっくりして、あさましがりて、近寄って抱きかかえ申し上げた。

 

 

 


 

すさまじ→不調和・冬の月は寒々として殺風景だ、すさまじ。

 

 

 

遅咲きの桜は時季外れで興ざめだ、すさまじ

 

 

 

誰もプレゼントをくれない誕生日は期待外れで、すさまじ。他の男が気になる彼女は親しみが、もうもてず、すさまじ。

 

 

夏のサンタは場違いですさまじ。


うたてし→転・からんでくる酔っ払いは気に食わない、うたてし。気の弱い男はなさけない、うたてし。

うたてあり→何でも人のせいにする、不快でいやな、うたてある店長。

 

 

うたてや→情けないことだよ、うたてやな。

 

 

 

うたて→急に明かりが消えたので、気味悪く、うたて、思われる。妙になれなれしい人は、いやに思われる、うたておぼゆ。

 

 

 

むくつけし→ストーカーの正体がつかめず、不安な気持ちで、むくつけし。


うし→憂・強制的な勉強は自分の思い通りにならず、つらい、うし。黙って帰りづらい、かへりうし。

 

つらし→辛・他からの仕打ちがつらい、つらし。貸した私の車で事故を起こした相手が知らん顔をしているのがひどい、つらし。

 

 

 

からし→骨身にしみるほどつらい、からし。ひどい目にあわせることだなあ、からきめをみするものかな。

 

2022年02月02日

古文語彙6

第6回

かたはらいたし・うしろめたし・くちをし・あたらし


たはらいたし友人が来ているのに夫婦げんかをしている両親に対し、にがにがしく、胸が痛くて、かたはらいたし。

 

 

 

うしろめたし→自分の見えない後ろの方がきがかりだ、うしろめたし。気の弱い弟がいじめられているのではないかと気がかりで、うしろめたし。

 


くちをし→朽ち果てるのを止められないのが残念だ、くちおし。不合格が残念で、くちをし。内容がなく格好だけを気にしているのは、感心しない、くちをし。

 

 


あたらし→彼の能力は、もともと高く評価されるべきものなのに低い評価を受けているのが残念で、あたらし。

 

 

友人の結婚相手が、彼にもったいないほどすばらしく、あたらし。

 

 

惜しいことに若い命、あたらわかきいのちを散らしてしまった。もったいない青春、あたら青春。



 

2022年02月02日

古文語彙7

第7回

ゆかし・なつかし・むつかし・わびし


ゆかし→奥まで見たい、ゆかし、行きたい、ゆかし、もっと知りたい、ゆかし。



おくゆかし→もっと奥にゆきたい、さらに見たい、聞きたい、知りたい、おくゆかし。

 

 

なつかし→犬が私に親近感を覚え、馴れ親しむ、なつく。

 

 

心がそちらに引きつけられる。側に付いていたい、なつかしき友人。

 

 

 

 

あくがる→かる(離る)心が身体からは馴れてさまよい、あくがる。心惹かれ落ち着かなくなり、上の空になる、あくがる。


むつかし→赤ん坊の機嫌が悪く、むつかる。不愉快でうっとうしい、わずらわしい、むつかし。

 

むつかしげなり→扱いにくそう、面倒くさそう、気味が悪そうである、むつかしげなり。


 

わびし→母の病気は、自分の力ではどうにもならず、落胆し、悲しくて、苦しむ、わぶ。つらくてやりきれなく、わびし。

 

2022年02月02日

古文語彙8

第8回  いとほし・やさし・はかばかし・ひがひがし

いとほし病気で苦しむ人を気の毒で見ていられない、いとほし。子犬の時から飼っている犬は、かわいい、いとほし。

いやだと思うものを遠ざける、いとふ

いとはし→犠牲者の写真はかわいそうで見てられない、いやだ、いとはし。

 

 

いたはる→酷使しすぎた馬を大事にする、いたはる。

 

 

 

 

いたはし→自分より体の弱い妻は、いたわって大切にしたい、いたはし。

 

 

 

やさし→失敗ばかりしている私は、身も細る思いで、つらい、やさし。その少女は恥ずかしそうに控えめに、やさしく話した。静かで上品で柔和な彼女は、優美で、やさし。

 

 

 

はかばかし→効果的なはかばかしき、学習方法で目に見えてはっきり、はかばかしく成績が上がっている。

 

ひがひがし→雪にも月にも桜にも無関心なあいつはひねくれており、ひがひがし。

 

 

 

ひがごと→先生だってミスはする、なんとかして答案の採点間違い、ひがごとを見つけようとする生徒。

 

2022年02月02日

古文語彙9

第9回 めでたし・めざまし・かしこし・つつまし

 

めでたし→満開の桜に強くひきつけられる、魅力的ですばらしい、めでたし。

 

 

 

めづ→秋の虫の音を、褒めて愛する、めづ。

 

めざまし→あの選手の立派な活躍、めざましき活躍は、驚くべきであり、立派だ。

 

 

 

めざむ→下二段・知らない土地に旅に出ると、目が覚めるような、めざむる気持ちがする。

 

かしこし→世界的に有名な教授のすぐれている、かしこき講義を受講できるのは、うれしい、かたじけなし。

 

 

かしこまる→天皇の前に出て、畏れ多くて恐縮し、かしこまる。

 

 

かたじけなし→恩恵を受けてうれしく、かたじけなし。

 

つつまし→深夜の帰宅は家族に知られたくないので、遠慮しながら、つつましく玄関を開ける。

 

 

つつむ→大切なものを守るために、外に漏れないようにする、つつむ。


 

2022年02月02日

古文語彙10

第10回 おどろおどろし・つきづきし・ねたし・いまめかし・にぎははし・うれはし・わずらはし・いたまし・もどかし・すきずきし・いまいまし・ゆゆし・あなづらはし・うとまし・けうとし・なやまし・あらたし

 

おどろおどろし→雷雨が、騒々しく、恐ろしいほど、おどろおどろしく降り出す。




 おどろく→大きな物音に驚いて目覚める、おどろく。

 

つきづきし→花火は夏の夜空にしっくり調和して、つきづきし。  

 

 

つく→物の怪が身体に、くっつき一体化する、つく。

 

ねたむ→自分より上の立場にあることが不満でうらやましく、相手の名声に心が痛む、心根が痛む、ねたむ。

 

 

 

ねたし→彼のギター演奏は見事で、にくらしい、ねたしと思うほどすぐれている。

 

 

いまめく→今めく(現代風の様子である)春めく(春の季節らしい雰囲気になる)

 

 

 

いまめかし→空気を切り裂くような新しいスタイルを持ったこの自動車は、現代風で、いまめかし。


 

 

にぎはふ→繁盛し富み栄える、にぎはふ商店街。

 

 

 

 

にぎははし→泥棒は金のありそうな、経済的に豊かな、にぎははしき家をねらう。


 

 

うれふ→嘆きや不満を心の中にしまっておけず嘆き訴える、うれふ。

うれはし→希望の大学には合格できず、遺憾だ、嘆かわしい、うれはし。

 

 

わづらふ→やっかいごとが重なり、気分が悪く死にそうになる、わづらふ。苦しみ病気になる。

 

 

 

わづらはし→時が来れば月の世界に戻らねばならない、めんどうな、わづらはしき身の上。

 

 

いたむ→痛いと感じる、いたむ

 

 

いたまし→病気で苦しんでいる母を見ているのはつらくて心が痛み、いたまし。


 

 

もどく→裏切り者を非難する、もどく。反対して従わない。

 

 

もどかし→目の前の老人に席を譲らずおしゃべりに夢中な学生は、非難して叱りつけたい、もどかしと思う。


 

 

すく→女好きで風流なことも好む、すきもの。

 

 

 

すきずきし→風流心、すきずきしき心があるように振る舞っているが、あの人は風雅の道がわからない、ひがひがしき人だ。


 

 

いむ→不吉なことを嫌がり避ける、いむ。

 

 

 


いまいまし→夫婦の部屋に地獄の絵は、不吉でいやな感じがする、いまいましく感じるので執事に片付けさせる。

 

 

ゆゆし→龍を祭るこの神社のご神体は触れてはならない、触れれば必ず祟られるので畏れ多い、ゆゆし。

 

 

あなづる→脱落したものが、劣っていることに対し軽蔑し、あなづる。

 

 

 

あなづらはし→遠慮なくあしらえる、あなづらはしき友人なら、後できてくれといえるが恩師にはそうはいかない。


 

うとむ→いやがってそっけなくする、うとむ。

 

 

うとまし→ゴキブリの壁を這っている姿は、気味が悪く、うとまし。

 

 

けうとし→好きな女性に、不安で親しめない感じがするのか、けうとくされた。

 

 

なやむ→病気になったり、不安になったりで苦しむ、なやむ。

 

 

 

なやまし→妊娠しているせいか、気分が悪く、なやましく外出できない。

 

 

なやましげなり→物の怪に襲われて猫は、だるくて苦しそうで、なやましげなり。

 

 

あらたむ→服を着替えて、新しくする、あらたむ。

 

 

あらたし→(平安時代以降・あたらし)あらたき年の初め。







 

2022年02月02日

古文語彙11

第11回 ありがたし・めづらし・さうざうし

 

ありがたし→大谷選手は、世界にこれほどの才能が存在することはめったになく、ありがたき選手である。 

 

 

 

かたし→この数学の問題は高度で難しい、かたし。 

 

 

けうなり→奇跡的に見つかったイルカはめったにない、けうなるものなり。

 

めづらし→目で見ることを連ねていたい、見続けていたいと思えるご来光の様子は、清新な感じがして、すばらしい、めづらし。

 

 

 

めづらかなり→パンダは普通と違った、めづらかなる姿をしている。

 

 

らうがはし→ゴタゴタしているバーゲンセールの会場に押し寄せる客の様子が騒々しく、混雑していて、らうがはし。

 

さうざうし→ひとりぼっちの留守番は、何か物足りなく感じる、さうざうし。



 

2022年02月02日

古文語彙12

第12回  けし・いぎたなし・いつくし・いかめし・よそほし・めやすし

 

けし→連絡がなくても、不審に思う心、けしき心を恋人に対して持つことはあってはならないし、好ましくない。

 

 

 

けしからず→その人は普通の人であり、普通ではない、けしからぬ物の怪ではない。 

 

 

 


けしうはあらず→結婚相手として、悪くはない、けしうはあらぬ性格。 

 

 

 

けけし→あの美女は取り澄ました感じで、その様子は、よそよそしく、けけし。

 

 

いぎたなし→寝ること(い)に貪欲で汚い、朝きちんと起きられない人は、寝坊で、いぎたなし。 

 

 

いさとし→眠りが浅く、ほんの小さな音でも目が覚めやすい、いさとき女房。

 

 


いつくし→威厳があり荘厳な感じのする厳島神社は、おごそかで、いつくし。 

 

 

 

いかめし→厳粛に立派に、いかめしく卒業式が実施された。 

 

 

よそほし→神社での結婚式は様式が整い、美しく、よそほしく感じた。

 

 

めやすし→清楚でめやすき女性は、見た目が安らかで、感じが良い。

 

2022年02月02日

古文語彙13

第13回  おとなし・ものし・ゆゑゆゑし・なめし

 


おとなし→あの小学生は思慮分別があり、身体も大きくて、おとなびている、おとなし。

 

 

をさをさし→まだ幼いので一人前のしっかりした大人のようには、をさをさしくは手紙を書けない。 

 

 

ひとびとし→舞踏会には身分や家柄が、人並みである、ひとびとしき若者が集まった。

 

 

ものし→男のなれなれしい態度に対して魔物に迫られているようで、その女性は、不気味でいやだ、ものしと感じた。

 

 

  

をんなし→いただいたお礼の手紙の筆致は、しなやかで女性らしい感じで、をんなしと見える。

 

 

 

ゆゑゆゑし→黒塗りの木箱から、いわれがありそうに、ゆゑゆゑしく取り出した刀には何か特別の、由緒、ゆゑがありそうだ。 

 

何の理由、ゆゑもなく、立ち寄ったこの家も風格、風情があり、ゆゑゆゑしくすばらしい。 

 

ゆゑづく→良い家柄の出身であり、趣味、教養が身についており、身につけている洋服、時計等も上品で情緒ありげな、ゆゑづいている感じがする。 

 

 

ゆゑだつ→そのハンサムな男に負けまいとして、風雅を愛する振りをして、もったいぶって、ゆゑだちて歩き回る。

 

 

 

なめし→作法も礼儀もわからないのに、淡々となめらかに流すように、さーっとずうずうしく振る舞う人は、無礼だ、なめし。特に言葉遣いの無礼な、なめき若者とは話したくない。 

 

 

 

なめげなり→相手への贈答品を失礼にならないように、なめげならず、整える。

 

2022年02月02日

古文語彙14

第14回  まだし・かどかどし・そばそばしまめまめし・げにげにしたいだいし・ことごとし・いらなし・むねむねし・こちごちしうひうひし

 

まだし→まだつぼみで未熟な、まだしき、感じがして桜が満開になる時期ではない様子、まだしき様子である。

 

 

まだきに→誰にも話をしていないのに、まだ早いのに、まだきに、あの人に恋をしているという噂になっている。 

 

 

 

まだきも→秋になったら、海で知り合った彼からもう連絡が来なくなったのは、はやくも、まだきも私に飽きてしまったからか。

 

 

かどかどし→いかにも才能に満ちている、かどかどしき男性もいれば、ひどく自分を主張する、とげとげしさを感じる、かどかどしき女性もいる。

 

 

かど→(才・かど)一つの分野ですぐれている、ひとかどの人物になりたい。

(角・かど)相手の気にさわる発言をしたため関係に、かどがたって穏やかでなくなる。

 

 

 

そばそばし→結婚して十年になるのに、しっくりいかず夫婦仲も、よそよそしい感じで、そばそばし。

 

 

 

まめまめし→結婚相手としては、誠実な、まめまめしき男性が良い。

 

 

 

スタイル重視の車より、家族全員が乗れる、実用的な、まめまめしきものの方が好ましい。 

 

 

まめごと→浮ついたことよりも、実生活、実務に関する、実用的なこと、まめごとを重視すべきだ。

 

 

げにげにし→信じさせるために、ところどころは知らないふりをして、いかにも本当のことのように、げにげにしく、話す詐欺師にはだまされやすい。

 

 

 

たいだいし→若者が政治に関心を持たなくなっていくことは不都合であり、とんでもないこと、たいだいしきことである。

 

 

ことごとし→演出もおおがかりで規模も大きく経験したことのない、おおげさな、ことごとしきスターの披露宴だった。


 

いらなし→刺無・鋭い,おおげさだ。いらなき刃先の刀を持った盗賊がやってくると、村人たちが、おおげさに、いらなく泣きわめく。

 

 

 

むねむねし→中心となるしっかりしていて、きちんと処理できる、むねむねしき人物がいないグループは目的が達成できない。

 

 

うひうひし→まだ初心者であり、物慣れない、うひうひしき者なので、発言することはきまりが悪いし気恥ずかしく、うひうひしと感じる

 

こちごちし→無作法で風雅のわからない不器用な、こちごちしき若者なので、礼儀などは全く知らず恥ずかしい。

 

 

こちなし→長く待たせながら何の連絡もないなど無礼な態度の人は無作法で、こちなし。

 

2022年02月02日

古文語彙15

第15回  ところせし・うるせし・いぶせし・たけし・つたなし・うとし・あらまほし・かごとがまし・かしがまし

 

ところせし→今いる場所が狭いと感じるほど、大声で怒鳴りちらすやっかいな社長のために従業員たちは気詰まりで、ところせしと感じている。

 

 

うるせし→あまりにすごい技術を見せられ、心がギュッと締め付けられるほど、一流演奏者の指づかいが、じょうずだ、うるせし。りこうなこども、うるせきこども。

 

 

うるさし→私の部下は、わずらわしくて面倒、うるさしと言って仕事をいやがる。

 

 

 

いぶせし→息子の下宿の部屋は息が十分できないほど狭く、むさ苦しく、汚らしいので気が晴れず、いぶせし。

 

たけし→力強くて勢いの盛んな、勇敢な、たけき武士。

精一杯で、じぶんがやっとできること、たけきことを被災者たちにやってあげたい。

逃げ隠ればかりしていることが、どれほどまさっていることがあろうか、なんのたけきことあらむ。

 

つたなし→拙・料理が下手で、つたなく、能力がないだけでなく運も悪い私は、つたなし。

 

 

うとし→よく知らず関係もほとんどない人、うときひとでなくても、別の土地に行ってしまえば、親しみが薄くなる、去る者日々に、うとしである。


したし→仲の良い、近い間柄の、したしき友。

 

 

あらまほし→志望している会社の就職試験に合格できることが、理想であり、あらまほし。

 

 

あらまし→以前からの老後の計画や予想がすべて駄目になって、これからどうするかの、予定が、あらましが立たない。

 

 

 

かごとがまし→不合格のもっともらしい理由として隣の騒音にかこつけている感じで、恨み言を言っている様子が、言いわけめいている、かごとがまし。 

 

かしがまし→沼に近づくにつれて蛙の声が前よりもうるさく、かしがましく聞こえる。 

 

 

かしまし→女性が三人集まると、やかましい、かしましとよく言われる。

 

 

かまびすし→海の近くの宿は波の音が大きく、やかましい、かまびすし。 



 

2022年02月02日

古文語彙16

第16回  つれづれなり・いたづらなり・かたくななり・あながちなり

 

つれづれなり→同じような何の変化もない毎日が続いていて、気が紛れず、手持ち無沙汰で退屈だ、つれづれなり。

 

 

 

つれづれと→特にやることもなく退屈なので、つれづれと月を眺め昔を思い出す。

 

 

いたづらなり→受験生には無駄にできる、退屈な、いたづらなる時間は少しもないはずなので、通学電車の中であっても、無駄に、いたづらに過ごしてはならない。

 

いたづらになす→結婚して家族を作らなければ人生を、駄目にする、いたづらになすこととなる。

 

いたづらにな→頂上に着く前に、吹雪に襲われ、その場所で、死んで、いたづらになって、しまった。

 

 

 

かたくななり→頑固で、片寄った考え方で凝り固まっている、かたくななる政治家。

 

 

 

かたくなし→夕べは飲み過ぎで、朝帰りらしく、服装も、見苦しく、だらしなく、かたくなしく、ネクタイなどもゆがめて身につけている。

 

 

 

かたはなり→結婚相談所で資産家ではあるが、不都合なところのある欠点だらけの、かたはなる人として私は紹介されたようだ。

 

 

 

あながちなり→その幼なじみは異常とも思えるほど、自分勝手で強引な態度で、あながちに、借金を申し込んできた。 

あながち→それほど、あながち、間違いともいえない。けっして、あながち、許してはならない。

 

2022年02月16日

古文語彙17

第17回  さらなり・すずろなり・あからさまなり・かりそめなり

さらなり→彼女の美しさは、もちろん言うまでもないことであり、今さら、もう一度言うとしたら、さらなり。

 

秋の夜の月の素晴らしさは、もちろんだ、さらなり

 

すずろなり・そぞろなり→酒に弱い友人にむやみに、すずろに飲ませたところ、わけもなく、すずろに泣き出した。思いがけず、すずろなる目に会わせてしまった。

 

あからさまなり→一時的なつもりで、ほんのちょっと、あからさまに赤ん坊を抱いてあやしているうちに、その子が寝入ってしまった。暴力シーンの多い映画は、かりそめにも、あからさまにも見ない方が良い。

 

 

 

かりそめなり→どんな場合でもいいかげんに軽々しく、かりそめなる愛の告白をしてはならない。

 

道路上で、一時的に、かりそめに息を吹き返した。

 

2022年02月17日

古文語彙18

第18回  むげなり・らうぜきなり・せちなり・をこなり・あだなり・よこしまなり・ふびんなり

 

むげなり→これ以下の者がないほど、教養がなく身分も低く、能力のない、むげなる人々であっても、不要であるとは言えない。

 

 

 

らうぜきなり→風がひどく吹いて紅葉をすべて吹き散らし、落ち葉が乱雑に入り乱れ、らうぜきなる様子である。 

 

 

 

 せちなり→ひたむきな一途な思いが裏切られて、痛切な悲しみで嘆きが、せちなる時も声を上げて泣かない女性。

 

 

 

をこなり→愚かで非常識な人の馬鹿げた話を信用するのは、をこなることだ。

 

 

をこがまし→平社員にすぎない男が会社の経営に口出しするのは、をこがまし。

 

 

 

あだなり→いい加減で誠意のない、あだなる男とは結婚すべきではない。

 

 

よこしまなり→いかに不運であっても、邪悪な気持ちで正しくないことを計画するなどという、よこしまなることは考えてはならない。



 


ふびんなり→難民キャンプで苦しむ、かわいそうな、ふびんなる人々を、助けてあげる手段がないことは、不都合で具合の悪い、ふびんなることである。

 

2022年02月02日

古文語彙19

第19回  ことわりなり・うべなり・ひたぶるなり・すくよかなり・ふつつかなり・みそかなり・はつかなり・まほなり・かたほなり・あやにくなり・うちつけなり・なほざりなり・ねんごろなり・あらはなり

 

ことわりなり(事を割る・理)→不合格だった者が不正をして合格した者を、しゃくにさわると思うのは当然であり、ことわりなり。 

 

 

ことわる→筋道を立てて、資産があれば信頼される理由を説明しわかりやすく、ことわられ納得する。 

 

 

うべなり・むべなり(宜)→愛する二人が夫婦になろうとすることは、あるべき所に落ち着き、都合が良いと感じることであって、道理でもあり、むべなることである。

 

 

 

ひたぶるなり(一向)→親の言うことをひたすら、ひたぶるに守って手入れしたのに若い頃から抜け毛が多く、髪は、ひたぶるにない。

 

 

 

すくよかなり(直・健)→田舎者は無愛想でそっけない、すくよかなる者が多いが、まじめでしっかりした心根の持ち主も多く、すくやかなり。

 

 

 

ふつつかなり(太束)→野暮で格好も良くない、考えの浅い、しかも肥え太った、ふつつかなる男性どっしりしている。

 

 

みそかなり(密)→親に見つからないように、夜中にこっそりと、みそかに抜けだし遊びに行く。

 

 

 

 

はつかなり(初・僅)一面の雪原の切れ目から、わずかに、はつかに、生え始めた若草が顔をのぞかせる初春。

 

 

 

まほなり(真面・真秀)→完全にできあがった、まほなる作品。
かたほなり(片秀・偏)→未熟で不完全な、かたほなる作品。

 

 

 

 

 

あやにくなり(生憎)→仕事が忙しいときに、都合が悪いことに、折悪しく、あやにくに無視できない客が訪ねてきた。

 

 

うちつけなり(打付)→空海が大地に杖を立てると、だしぬけに、あっというまに、うちつけに温泉が噴き出した。

 

 

 

 

なほざりなり(直去・等閑)→いい加減に注意もせずに、なおざりに山道をドライブしたせいか、紅葉の美しさに気づかず通り過ぎた。

 

 

 

 

ねんごろなり(懇)→丁寧な、ねんごろな手紙の文面から、昔、熱心に語り合った親しく、ねんごろに交際していた友人の顔を思い出した。

 

 

 

あらはなり(顕・露)→高いところから見下ろすと、家々の中が丸見えではっきりと、あらはに見える。


 

2022年02月02日

古文語彙20

第20回 こころなし・こころあり・うらなし・こころにくし・にくし・はづかし

 

こころなし→桜の枝を折り取って持ち帰る、非常識で、思慮分別のない、こころなき人。

 

出家したので普通の喜怒哀楽の情を持たない、情趣がわからないはずの、こころなき身の私にも、秋の夕暮れの良さは感じる。

 

 

相手の身になって、何を望むかを考える事のできない、思いやりのない、こころなき娘。 

 

 

 

 

 

ここらあり→世話になったことを忘れず、道理をわきまえた、こころある人は、まわりの目など気にせずに破産した私を助けてくれた。

葉の上の露が月の光で輝くのを見るとき、この良さをわかってくれる感受性を持った、こころある友人と別れたことを残念に思う。

 

 

 

 

うらなし(相手から見えない心は裏)→自分の心を隠す必要のない、心の隔てのない、うらなき親友との会話。

 

 

 

 

こころにくし→教養はもちろんのこと、憎らしく思えるほど深みがあって上品な振る舞いの、こころにくき女性が気にかからない男はいない。

 

 

 

 

 

 

にくし→忙しいときにやってきて長話をする客は、にくし。

いやな、にくき蠅。見苦しいぼろ屋は、にくし。

 

 

 


はづかし→成績はもちろん、顔かたちも自分よりすぐれている、はづかしと思える相手を前にすると、気詰まりで、はづかし。 


はづかしげなり→こちらが恥ずかしいと思えるほどりっぱな、はづかしげなる様子。



 

2022年02月02日

古文語彙21

第21回  こころもとなし・こころやすし・おぼつかなし・いぶかし・こころぐるし・こころうし・こころやまし・うれたし・こころづきなし

 

こころもとなし(心許無)→合格発表の結果が待ち遠しく、こころもとなし。

父の手術の結果が気がかりで、こころもとなし。

はっきりしない祖母の電話の声が、こころもとなし。  

 
こころもとながる→出かける準備がもたもたと遅い母を父が、こころもとながる。 

 

 

 

 

こころやすし(心安)→震災後、家族全員の無事が確認できたので心配事がなくなり、こころやすし。




 

おぼつかなし(覚束無)→何が出てくるかわからない、はっきりしない、鼻をつままれてもわからないほどの暗闇を歩くのは不安で、おぼつかなし。 

 

 

いぶかし(訝)→会わないで長い日数がたってしまった。今どんな状態なのか。なんとかはっきりさせたい、きがかりで、いぶかし。  

 

 

 

こころぐるし→捨てられた子犬を見つけて、ほっとけなくて思わず連れて帰ったら親から説教されて、こころぐるし。   

 

 

こころうし(心憂)→知らず知らずのうちに友人から憎まれていることを知り、憂鬱で、こころうし。

 

 

 

 

こころやまし(心病)→何をしてもうまくいかず、いらいらして不愉快で、こころやまし。   

 

 

 

 

 

 

うれたし(心痛)→友人から軽蔑される理由がわからず、不愉快で腹立たしく、うれたし。

 

 

 

 

こころづきなし(心付無)→遠足の日に雨が降り、気に食わない、こころづきなし。

 

2022年02月02日

古文語彙22

第22回  さがなし・わりなし・あいなし・あやなし

 

さがなし(性無)→生まれつきの善良さをなくした、無遠慮で手に負えなくてたちが悪い、さがなき中年おやじ。

 

わりなし(理)→歯の痛みは自分の力ではどうにもできず、わけのわからない痛みで、わりなし。

 

あいなし(合・愛)→怖い映画は初めからいやなのに無理に連れて行かれ、おまけに自分ばかり楽しんでいるような彼は、むちゃくちゃで、あいなし。

 

あやなし(文・綾)→夢で見たことは、筋が通らないことが多く、あやなし。 

 

 

あやめもしらず→恋というものは、もともと分別が付かず、正確な判断もできない、あやなきものである。


 

2022年02月02日

古文語彙23

第23回  まさなし・つれなし・びんなし・よしなし・よしあり

まさなし(正無)→努力もしないで諦めることは、とんでもないことで、まさなし。

 

つれなし(連無)→私の求愛に対し無表情、無反応な、つれなき彼女には、何の変化もなく月日だけが、つれなく経過していく。

 

びんなし(便無)→不都合で、びんなき事情があって、あの方の家に今、行くことは都合が悪く、びんなし。


 

よしなし(由無)→つまらない、よしなき妄想。

説得力のない、論拠のわからない、よしなき意見。

有名な医者でもどうしようもない、よしなき病気。

関係者以外のよしなき人は立ち入り禁止。

 

 

 

よしあり→彼女のお母様は由緒ある家柄の、よしある人である。 

 

よしよしし→昔ながらの家の豪奢な造りなど、由緒ありげで風情もあり、よしよしし。 

 

 

よしめく→よく見せようと由緒ありげに気取って、よしめく男。 

 

 

 

よしばむ→古い書体を使って、その書きぶりが由緒ありげに気取って、よしばむ。

 

2022年02月02日

古文語彙24

第24回  はかなし・かひなし・やくなし・せんなし・いふかひなし・ほいなし・あじきなし・せむかたなし

 

はかなし(効果・量)→桜があっけなく、はかなく散る。

 

 

まだ合格もしていないのに、合格後の生活のことをあれこれ準備することは、何にもならず、はかなし

 

 

 

近所の奥様たちの世間話は、はかなし

 


かひなし(甲斐・効)→連れて行ってくれと泣きわめいたがどうにもならず、かひなし。

 

 

 

やくなし(益)→改めたとしても無益な、やくなきことは改めないのが良い。

 

 

せんなし(詮)→自分だけが違うと言っても、ママ友会の方針には逆らえず、仕方がなく、せんなきことだ。

 

いふかひなし→身分が低く、いふかひなきものが、大切な書類を言っても仕方がないほどに、いふかひなく破ってしまった。

 

ほいなし(本意)→ライバルに敗れ、第2志望の大学に進学することは、不本意で、ほいなし。

ほいあり→長年強く期待していた、ほいある大学に合格できた。

 

あぢきなし(味気)→度重なる増税に、国民はどうしようもなく不快で、あじきなく苦々しく思っている。

 

 

せむかたなし(為方)→失恋してたまらなく切なく、せむかたなく嘆き悲しんでいる妹を助けてやる方法がない、どうしようもない、すべなし。

 

2022年02月02日

古文語彙25

第25回  さうなし・になし・またなし・にげなし・ひとげなし・やすげなし・さりげなし・はしたなし・ひとわろし・しどけなし・ゆくりなし

 

さうなし(双)→あのバッターは比べるもののいない、さうなき選手である。

 

 

さうなし(左右)→武蔵と小次郎が決着がつかないまま、さうなくて別れたとしたら心残りだろう。

 

になし(二)→古いカードを同じものが二つとない状態で、になく集めたコレクションがすばらしい。

 

 

またなし(又)→年末になり、忙しそうに走り回っている様子は、この上なく、またなく感慨深い。

 

 

 

ならびなし(並)→あの俳優は世界からも認められて、並ぶもののない、ならびなき名声を得た。

 

 

 

 

にげなし(似気)→二十歳そこそこの若者が高級車を乗り回すのは似つかわしくなく、にげなし。

 

ひとげなし(人気)→初心者なので、人並みに扱われない、ひとげなき恥ずかしさを隠しながら練習に励んだ。 

 

 

 

やすげなし(安気)→初心者で舞台に立つ落ち着かない不安な、やすげなき気持ち。

 

 

 

さりげなし(然気)→そう思っていないような何気ないそぶりで、さりげなくふるまうのは難しい。

 

 

 

はしたなし(端)→中途半端で、はしたなき服装をしてはならない。

期待していた人とは、別の人が出てきたときは、きまりが悪く、はしたなし。

好きだと言われた相手をいいかげんには、はしたなく断れない。

雪が激しく降っていて、はしたなくて外に出られない。

 

 

ひとわろし(人悪)→帽子のかぶり方が、他の人から見たらみっともなく、ひとわろし。

 

 

 

 

しどけなし→着物を無造作に、しどけなく着ている夫がだらしなく、しどけなし。

 

 

ゆくりなし→青空が広がっていたのに、突然に、ゆくりなく雨が降り出した。準備できていなくて、突然である。

 

2022年02月02日

古文語彙26

第26回  やむごとなし・みかど・おほやけ・うち・うへ・あてなり・あてはかなり・いやし・まどし・あやし

 

やむごとなし(止事無)→日本人にとって天皇は、自分の思いをストップさせて、相手を放っておくことができないほど格別であり、捨てておけない、やむごとなき存在の人である。

 

 

みかど(御門)→昭和、平成、令和と三代の天皇、みかど。 

うち(内)→天皇から、うちの上から勲章をいただいた祖父。 

おほやけ(公・大宅)→かぐや姫は天皇に、おほやけに手紙をさしあげなさった。 

うへ(上)→天皇、主君、将軍、奥様。大谷選手の活躍を天皇も、うへもお聞きになってお褒めなさる。

 

あてなり(貴)→(最上級レベルがやむごとなし・あてなりは一般レベルの貴族)上品で高貴な感じがする、あてなる正倉院の御物。 

あてはかなり→格の高さが感じられるような洗練された、品の良い、あてはかなる装飾品を好んで身につけており、他の人とは違っている。 

あてやかなり→都会では、気立てが優雅で、あてやかに愛らしい女性を求めても無理だろう。

 

いやし(卑)→下品な、いやしき言葉遣いをするし、身分も低い、いやしき男ではあるが心根はしっかりしている。 

まどし(貧)→まずしい。財産を持てば持つほど、それに気を取られて、危険が増して身を守ることが十分できずおろそかになり、まどし。

 

あやし(怪)→身分が低く卑しい、あやしき男が入っていった粗末で見苦しい、あやしき家から不思議な、あやしき光が漏れている。



 

2022年02月02日

古文語彙27

第27回  いたし・こちたし・いみじ・ゆゆし・こよなし・いたく・こちたく・いみじく・ゆゆしく・こよなく・かぎりなく・かしこく・なのめならず・おぼろけならず・おろかならず・なのめなり・おぼろけなり・おろかなり・いへばおろかなり・おろそかなり・よろし・わろし

 

いたし(甚)→すばらしい、いたき成績。

 

雨がひどく、いたく降る。

 

こちたし(事甚・言痛)→歌舞伎役者の姿はおおげさで、こちたし。暖炉の火を度を越して、こちたくおこしてあついほどだ。 

 

 

いみじ(甚・忌)→すばらしい、いみじきノーベル賞の受賞。

 

 

 

高速道路でのひどい、いみじき交通事故。

 

 

 

 

初めてのうれしい、いみじき京都旅行。

 

 

 

ゆゆし(由・忌)→神聖で畏れ多い、ゆゆしき神社のご神体。 

 

 

こよなし(越無・是勝無)→ショートカットは彼女に似合っており、かえって長いよりも格別に、この上なく、こよなくいいなあと思える。

 

 

 

いたく・いたう→ゲームのプレゼントをはなはだしく、いたく喜ぶあまり、あまり、いたく勉強しなくなった。

 

 

 

こちたく→風がひどく、こちたく吹く襟裳岬。

 

 

いみじく・いみじう→アニメ映画にとても、いみじく感動した。

 

 

 



ゆゆしく・ゆゆしう→スマホに夢中の娘のことをひどく、ゆゆしく心配している父親。 

 

 

こよなく・こよなう→他の選手に、はなはだしく、こよなう勝っている優勝者。

 

 

かぎりなく→あの男の結婚はとても、かぎりなくめでたいことだ。 

 

 

 

かしこく→その海の波は恐ろしいほど、かしこく大きい。 

 

 

 

なのめならず(斜)→祖父母の孫に対する思いというものは、いいかげんでなくちゃんとしており、格別なもので、なのめならず。 

 

 

 

おぼろけならず(朧)→ここでまた貴方と出会うことができたことは、二人の縁は格別なものであり、おぼろけならぬものだと思う。 

 

 

 

おろかならず(疎)→あの特待生は平凡ではなく、おろかならず成績が良い。

 

 

 

なのめなり→普通の、平凡な、なのめなる男性と、豪華ではない結婚式がしたい。

あの作家は世間をいいかげんに、なのめに見て描いている。

 

 

おぼろけなり→いい加減に、おぼろけに学習しても合格できない。彼は普通の、おぼろけなる人に過ぎない。

 

 

おろかなり→今まで、いい加減で粗略な扱いでもかまわないと思っていた、おろかなる友人が一番、応援し援助してくれた。

 

 

いへばおろかなり・いふもおろかなり→私の母に対する妻の献身的な介護に対して、口で言うと平凡な感じになってしまうので、いくら言っても言い尽くせない、言い足りないほどの、いへばおろかなる感謝の気持ちを持っている。

 

 

 

 

おろそかなり(粗略)→裁判所の書記官として、粗略でいいかげんな、おろそかなる記載をしてはならない。

 

 

 

 

なほざりなり→神への願いは本気でない、いいかげんな、なほざりなる願いであってはならない。 

 

 

 

 

よろし→初心者が作った作品としては、まずまずの出来で悪くはない、よろし。 

 

 

 

 

わろし→言葉遣いや態度が下品なことは、好ましくなく感心できない、わろし。 


 

2022年02月02日

古文語彙28

第28回 おもほす・おぼす・のたまふ・のたまはす・おほす・ごらんず・みそなはす・きこしめす・しろしめす・います・いますかり・みまそかり・まします・おはす・たまふ・たまはす・めす・おほとのごもる・まうす・きこゆ・そうす・けいす・うけたまはる・たまはる・たてまつる・まゐる・まゐらす・はべり・さぶらふ・まうづ・まかる・まかづ・つかへまつる・うけたまはる 

 

おもほす(思ふプラスす・尊敬)→この子を大事な存在とお思いになり、おもほし大切にお育てなさる。 

 

 

 

おぼす→一人残されてお子様が、どれほど寂しいとお思いになって、おぼしておられることか。  

 

 

おぼしめす(思召)→明るくて周りがはっきり見える月の光をまぶしくお思いになる、おぼしめす。

 

 

 

のたまふ(宣給)→母がそんなことをおっしゃるなら、のたまふならば、のたまはば今日は出かけるのをやめる。

 

 

のたまはす→皇后がお聞きになって「とてもすばらしい」とおっしゃる、のたまはす。

 

 

おほす(仰)→主君が家来に「馬からおりよ」と命じ、おっしゃる、おほす。 

 

 

ごらんず(御覧プラスす・サ変)→お母様はこの被害を御覧になって、ごらんじて嘆きなさる。

 

 

みそなはす(見ることを行いなさる)→アマテラスが天岩戸を細めに開けて外の世界をごらんになる、みそなはす。 

 

 

きこしめす→昔の思い出話を村長もお聞きになって、きこしめして奥の部屋から出てこられる。  

 

しろしめす→国中のことを知っていらっしゃる、しろしめす天皇は、国をお治めになる、しろしめすことができる。

 

います(坐)→ふるさとでは、父母が元気でいらっしゃる、います。  

 

いますかり(いらっしゃる処があり)→ウサギを助けた大国主命という方がいらっしゃる、いますかり。 

 

いまそかり→厩戸皇子という方がいらっしゃった、いまそかりけり(けり・過去)。 

 

 

みまそかり(御)→紀貫之は藤原氏の栄華の時代にいらっしゃった、みまそかりけり。 

 

まします→からだが金色で三十二のすぐれた特徴がおありになる、まします仏像。 

 

おはす→私の子供になる貴方の運命は竹の中にいらっしゃる、おはすることでわかった。 

 

たまふ(賜)→稲荷の神がお与えになる、たまふしるしの札。 

 

たうぶ→天皇が貴族にお与えになる、たうぶ酒。 

 

 

たぶ・たんぶ・たまふ→誰もそのサカナをさばくことのできる人がいないなら私にお与えになってください、たべ。私が料理します。  

 

たまはす→かぐや姫は不死の薬を天皇の使いにお与えになる、たまはす。

 

めす(召)→帝がおとど(大臣)かんだちめ(上達部)を呼び出す、めす。 

 

おほとのごもる→天皇は、お眠りにならないで、おほとのごもらずして夜を明かしなさった。(寝る→ぬ・いぬ・いをぬ・寝)  

 

 

 

まうす(申)→ツバメの巣の中を探させても、「何もありません」と家来が申し上げる、まうす。 

 




きこゆ(聞くプラスゆ・受身)→お断りの返事を見合いの相手に申し上げる、きこゆ。

きこえさす(さす・使役)→弟と相談しましてご返事は、弟からもうしあげさせます、きこえさす。

 

そうす(奏)→天皇・院に申し上げる、そうす。

 

けいす(啓)→皇后・中宮に申し上げる、けいす。

 

 

 

うけたまはる(承)→祖母の申し出をご承諾もうしあげる、うけたまはる。

ちょっとお聞きしたい、うけたまはらばや(ばや・希望) 

 

 

たまはる(賜)→校長先生から卒業証書をいただく、たまはる。  

 

たてまつる(奉)→下位者から上位者にさしあげる、神にお賽銭をさしあげる、たてまつる。

 

まゐる(参)→婚約者が彼女の両親の家に参上する、まゐる。 

 

 

 

 

まゐる→高貴なところへ参上する、行く。

 

まゐらす(す・使役)→花に手紙をそえて病室の先生にさしあげる、まゐらす。

 

はべり(侍・這入)→慎み深い態度でおそばに控えている

お殿様の側に夕方まで控えている、はべり。

 

さぶらふ・さふらふ(さ守・候・侍)→女官たちが集まり、姫の側にお仕え申し上げている、さぶらふ。 

 

 
  

 

まうづ→年の初めに神社にはじめてお参りする、まうづ。

初めてまうでたる、初詣。→まゐる(参)→参上する

 

まかる(罷)→貴族の前から退出する

十分お酒をいただきましたので、私はおいとましましょう、まからむ。 

 

まかづ(罷出)→お屋敷の外に出て、まかでて聞くと、上の方から鳥の声が聞こえる。 

 

 

 

つかへまつる(仕奉)→最後まで主君にお仕え申し上げよう、つかへまつらむ(む・意志)。 

 

つかうまつる→狩りをなさるというのでお供として私がお仕え申し上げた、つかうまつれり(り・完了)

 

 

つかまつる→楽器を演奏申し上げる、かなでつかまつる。

和歌をお詠み申し上げる、ぎんじつかまつる。

 

2022年02月02日

古文語彙29

第29回  まゐる・たてまつる・はべり・さぶらふ

 

まゐる→主君が酒などをめしあがる、主君、酒などまゐる(尊敬)

 

たてまつる→主君が酒をめしあがる、主君、酒たてまつる(尊敬)。

 

 

 

 

家来が主君に酒を差し上げる、酒たてまつる(謙譲)

 

家来が主君にさしあげる、金まゐる(謙譲)。

 

 

 

主君が加持祈祷をしてもらいなさる、主君、加持祈祷まゐる(尊敬)。

僧が主君に加持祈祷などしてさしあげる、加持祈祷などまゐる(謙譲)。

 

 

 

格子をあげさげしてさしあげる、御格子まゐる(謙譲)。

 

 

明かりをつけてさしあげる、大殿油まゐる

 

先払いをして差し上げる、みさきまゐる(御先)。

 


主君が着物をお召しになる、主君、着物たてまつる

家来が主君に着物をお着せ申し上げる、着物たてまつる

 

 

 

主君が車にお乗りになる、主君、車にたてまつる

家来が主君を車にお乗せ申し上げる、車たてまつる。  



はべり→夏には暇がございます、暇はべり。

 

 

 

 

横浜におります友人、横浜に、はべる友人。

 

 

 

雪は白くございます、白うはべり

山は静かでございます、静かにはべり

 

 

 

私の弟でございます、弟にはべり

 

 

 

山に登ります、登りはべり

みな知っております、知りてはべり。  

 

 

街には店がたくさんあります、多くさぶらふ

珍しいものがございます、めずらしきものさぶらふ

 

 

弟は、幼くございます、おさなうさぶらふ

 

 

珍しいことでございます、めずらしきことにさぶらふ

 

 

つらい目を見ております、つらきめを見さぶらふ。 

 

 

2022年02月02日

古文語彙30

第30回   います・まします・おはす・おはします・たまふ・たぶ・まうす・きこゆ・きこえさす・たてまつる・つかうまつる・まゐらす・たまふ・たのむ

 

 

います→貴族が笑っていらっしゃる、わらひいます。

 

まします→空から天女がくだりなさる、くだりまします。

 

おはす→仏様は尊くていらっしゃる、たっとくおはす。

 

 

おはします→そのときはまだ皇太子でいらっしゃった、おはしましき(き・過去)。

 

 

 

 

たまふ→姫が家を出なさる、いでたまふ。

たうぶ→姫が笑いなさる、わらひたうぶ。

 

たぶ→はやく返しなされ、かへしたべ。 

 

まうす→恨み申し上げる、うらみまうす。

 

きこゆ→見つけ申し上げなさる、みつけきこえたまふ。

 

きこえさす→訪ね申し上げなさる、たずねきこえさせたまふ。 

 

たてまつる→拝み申し上げなさる、おがみたてまつりたまふ。 

 

つかうまつる→ほうこうしてさしあげる、奉公つかうまつる。 

 

つかまつる→御送りし申し上げる、みおくりつかまつる。

 

まゐらす→頼み申し上げる、たのみまゐらす。

 

たまふ→出発あそばす、出でさせたまふ。(さす・尊敬)

太宰府に左遷させられておくだりあそばす、くだらしめたまふ(しむ・尊敬)。

 

たまふ(会話・手紙文・下二段→終止形なし→へ・へ・○・ふる・ふれ・○・見る・聞く・知る・思ふに接続)

誰かに話そうとは、思わせていただきませんので、思ひたまへねば。

思っておりますこと、思ひたまふること。

 

夢を見させていただいたよ、見たまへしかな。

 

 

 

 

たのむ(四段・頼りにする)→友人の車をあてにして、たのみて貯金する事に対し、いいかげんな気持ちが生まれる。

 


たのむ(下二段・頼みに思わせる)→期待していた馬が来れなくなって、はやく走るのを期待させない馬、頼みに思わせない馬が、たのめぬ馬が勝つ。

 

2022年02月02日

古文語彙31

第31回  みゆ・おぼゆ・おぼえきこゆ・きこえ・うつろふ・かたらふ・やすらふ

 

みゆ(ゆ・受尊可自)→そのホテルの部屋からは海を見ることができる、海が自然と見える、海みゆ。

 

 

先生に見られなさるな、見えたまふな。

 

 

家から出て行くと思わせて、行くと見えて、庭に隠れる。

 

おぼゆ→心細く思われる、おぼゆ。

 

 

二人は似ているところが、おぼえたるところがあるので姉妹だろう。

 

 

おぼえ→末っ子は父にも母にもかわいがられている子、おぼえの子である。

 

この車の世間の評判は、世のおぼえはたいへんなものだ。

 

きこゆ→はっきりと聞かれる、きこゆ。

大谷はその名がうわさされる、名きこえたる選手だ。

(きこゆ・申し上げると訳す理由→受身・主君に自分の話が聞かれる・聞いてもらう)

 

 

きこえ→彼女の接待の能力は会社中の評判に、世に聞こえ高く、なってしまった。

 

うつろふ(ふ・継続反復)→都会を去って田舎に移る、うつろふ。

 

あじさいはすぐに、変化して散っていく花、うつろふ花だ。心変わりする、うつろふ人の心。

 

 

海に月の光が映っている、ひかりうつろふ

 

 

 

かたらふ→まだ時間があるのに、親しく話し合わないうちに、かたらはぬに、帰ってしまった。



やすらふ→岩に腰をかけてしばらく休息する、やすらふ。

♪今日のわざをなしおえて、こころかろく、やすらえば風はすずし、この夕べ♪

 

2022年02月02日

古文語彙32

第32回  ゐる・ぐす・かづく・かる・あかる・ながむ

 

ゐる→居・すわっても、ゐても、立ってもいられない。  

 

 

ゐる→率・生徒を遠足に、連れて行く、ゐる 

 

 

 

ぐす→具・買い物に子供を、連れて行く、ぐす。

 

かづく→被・四段・バスタオルをかぶる、かづく。

 

太郎は褒美として衣服をいただき左肩に掛け、太郎、ものかづき、次郎は禄をいただく、次郎、禄たまはる

主君が装束を褒美として与えようとする、装束かづけむとす。

かづけもの→労働の対価や褒美として与える、質の良い衣類。
かづける貴族の権威、信用が価値を決め、まとっていた者の霊がこもるとも言われ、その霊性を家来が授かる儀式でもあった。
他のものに交換可能な現物貨幣としての役目があり、布にばらせば、軽くて折りたため取り扱いにも便利であった。

 

かづく→被・下二段・子供にかぶせる帽子、子にかづくる帽子。

 

 

  

かづく→潜・四段・海にもぐる潜水艦、海にかづく潜水艦。

  

 

 

かる→枯・下二段・枯れている花、かれたる花   

 

 

かる→離・下二段・長年住み慣れた家を離れてしまう、年ごろの家をかれぬ。

 

 

 

会えずに、疎遠になってしまった人、かれぬる人。 

 

 

 

あかる→離・別・下二段・人と別れて帰ってきた、人とあかれて帰りぬ。

 

 

あかる→明・赤・四段・赤みを帯びた橘の花、あかる橘の花。

 

 

山の稜線に接するあたりが明るくなる、やまぎはあかる。

 

ながむ→眺・下二段・窓から遠くを見やる、ながむ。

 

 

心配事があるので一人で物思いにふけっている、一人ながめたり。 

 

 

ながむ→詠・下二段・声を長く伸ばして詩歌を吟じる・低い声で吟じる、ながむ。  


 

2022年02月02日

古文語彙33

第33回  しのぶ・むすぶ・しる・いぬ・いもねず・さる・すまふ

 

しのぶ→偲・四段・花を取って、賞美する、しのぶ。

 

  

しのぶ→偲・上二段・亡くなった人を、思い起こす夜、しのぶる夜。

 

しのぶ→忍・上二段・親に対し、秘密にする理由、しのぶるわけがある。

 

しのぶ→忍・四段・寒さを我慢する、しのぶ。

 

 

しのびね→人知れず声をひそめて泣いてばかりいる、しのびねをのみ泣く。

ホトトギスが5月にまだなっていないので、おおっぴらではなくこっそりと4月に鳴いている声。本格的な季節以前に初めて聞く声。

 

むすぶ→結・五段・水の泡ができる、泡むすぶ。

 

リンゴの実がみのる、実むすぶ。

 

 

小さな家を作る、庵むすぶ。

 

 

 

また会おうと約束する、むすぶ。  

 

 

 

 

むすぶ→掬・四段・両手ですくって、むすびて、水を飲む。

 

 

しる→知・領・四段・山里深いので春が来たことがわからない、山ふかみ春ともしらず。

 

王が治めなさる国、しりたまふ国。

 

  

しる→痴・下二段・光を浴びて気持ちがぼんやりとなって、ここちしれにしれて。

 

いぬ→往・ナ変・牛が売られて九州に行ってしまう、鎮西へいぬ。

 

いぬ→寝・下二段(ねる)

寝ること→・寝

寝る→・寝・下二段

(ネルコトをネル→

早く寝る→はやくいぬ。はやく。はやくいをぬ。 

いもねず→眠りもしないで恋い慕っている、いもねず恋ふ。。

 

さる→去・四段・住居を離れる、家居をさる。

 

 

春になると、はるされば花が咲く。

 

避けられないパンチではない、えさらぬ拳にあらず。 

 

 

さらぬわかれ→死の別れがないといいのになあ、さらぬわかれのなくもがな。

 

すまふ→拒・四段・娘が抵抗して、すまひて動かない。

 

 

宴会を辞退した、すまひけり。

 

 

 

すまふ→住・四段・十年間ここに住み続ける、すまふ。


 

2022年02月02日

古文語彙34

第34回   仏道修行関係の語句・陰陽道関係の語句・あふ・おもひおきつ・おきつ・おこたる・せうそこ・さた

 

おこなふ→仏道修行(断食、滝行、写経、礼拝など精神的に修養することを目指し生活全般にわたっての修行全般を含んでいます。)

 

 

勤行(仏道修行の中の一つの行を指し、お経を声を出して読むことです。)

 

かしらおろす(頭)→比叡山にのぼって、頭髪を剃り、僧として出家した、かしらおろしてけり。  
みぐしおろす(御髪)→その貴族は予想に反して出家しなさってしまった、みぐしおろしたまひてけり。 

かたちをかふ(形変)→姫は、出家してしまおうと思いたちなさる、かたちをかへてむとおぼしたつ。  
よをそむく(世背)→世を捨て出家した草の庵、よをそむける草の庵。

 

 

ほっしん(発心)→悟りを得ようとする心を発する、仏道に入り出家する。

 

 

 

てら三井寺(天智・天武・持統天皇が産湯として三井寺の井戸の水を使ったという言い伝えがある。)

寺門派の拠点・藤原道長、源頼政がパトロン・同じ天台宗だが法華経の解釈が違う円珍が比叡山を下りて独立

やま→比叡山・比叡山延暦寺・山門派の拠点・平清盛がパトロン・同じ天台宗だが法華経の解釈が違う円仁。

 

 

みまかる→恋人が亡くなった、いも、みまかりけり。

おくる→遅れまいと馬を走らせる、おくれじと馬はしらす。

十才ぐらいで父に先立たれる、父におくれり。

 

 

すくせ→私がこうなったのは宿命であって前世の因縁が悪かった、すくせのつたなかりけり。

 

 

さきのよ(前世)→この世に生まれる前の世においても、縁が深かったのであろうか、さきのよにも、ちぎりやふかかりけむ。 



のちのよ(後世)→死後の世界のことなどを教え申し上げる、のちのよのことなど、きこえしらす。

 

 

いんが(因果)→因果応報・前に行った善悪の行為が、それに対応した形で結果となってあらわれる。

親の因果が子に報い→親の行った悪い行為が、罪もない子供に悪い結果としてあらわれる。 

 

 

 

うつせみ→現臣・うつしおみ・うつそみ・この世の人、うつせみと思っていた恋人、うつせみとおもひし妹が実は死んだ彼女の霊であった。

(空蝉・蝉の抜け殻・はかないこの世という意味で使われる)

 

 

 

うつつ→夢か現実か、ゆめかうつつか。 

 

 

うつしごころ(現心)→しっかりした意識もなく、うつしごころなくまどろむ

 

 

 

かぢ(加持)→手で印をつくり口に真言をとなえて仏の法力によって病気や災難を取り除く、調伏する、退治する。

 

  

しるし(験)→神仏がくださる霊験、御利益、祈願したことの実現。 

 

 

もののけ(物怪)→はっきりした実体を持たない感覚的な存在、人にとりついて病気を起こさせたり、死なせたりする悪霊。死者の怨霊。生きている人の生き霊 

 

 

 

ことだま(言霊)→言葉に宿っていると信じられた不思議な力。言葉のことと、現実の事のことが同じと考えられ、その人の名が汚されると、その人の身体が傷つき、男に名前を教えることは、女がその男のものになると言うことだった。 

 
 

ちしき(知識)→修行を積むことで仏道と私とに縁を結ばせてくれる、徳の高い僧。 

 

 

むじゃう(無常)→すべてのものは絶えず変化して不変がないこと。

 

 

つゆ(露)→かげろうのはかない命、つゆのいのち。

 

 

ねんず(念)→サ変・眠いのを我慢して、ねんじて頑張る。

心の中で神に祈る、ねんず。

 

 

あふ(敢)→霜に堪えきれず枯れてしまった菊、霜にあへず枯れにし菊。  

 

 

 

おもひあがる→自分こそはと自負している、われはとおもひあがれり。

 

おもひおきつ(掟)→死後の家族のことまで、前もって心に決めようとすること、おもひおきてむことなどは、むなしいことだろう。 

 

 

 

おきつ→下二段・父などがあらかじめ決めておいた家、父などのおきてし家。

 

 

ものいみ→日や方角が悪いと陰陽道で判断されたら一定期間家にこもり心身をつつしむ。 

 

 

こといみ→不吉な言葉を使うことを避ける。

(現在、結婚式で別れ、切る、離れる、冷める、戻る、消えるなどはスピーチでは使いません。)

 

おこたる(行垂)→ずっと病気をしていた人が良くなった、なやみわたる人がおこたりぬ。 

 

 

せうそこ(消息)→何日かが経過するまで、手紙をやらない、せうそこつかはさず。

 

 

さた(沙汰)→やむを得ないと言って、その後知らせがなかった、さたもなかりき。

 

2022年02月02日

古文語彙35

第35回 あくがる・ほる・ゑふ・そばむ・そばむく・こころをやる・こころゆく・あく・こころばへ・こころばせ・こころまうけ・てんき・げきりん・おどろく・あかす・くらす・よもすがら・よは・あけぼの・あした・つとめて・きぬぎぬ・ふ・う・ぬ・こぞ・ひとひ・のわき・ゆうづくよ・もち・ありあけづき・つごもり・むつき~しわす

 

あくがる→下二段・物思う人の魂が体から離れてさまよい、上の空になる、あくがる。別居して月日がたつと夫婦仲が疎遠になる、仲もあくがる。

 

 

ほる(惚)→下二段・あまりに忙しくて、放心して自分を忘れている、ほれて忘れたり。

 

ゑふ(酔)→四段・車に酔った気分、ものにゑひたるここち。

 

 

そばむ(側)→横を向いているので、そばみてあれば、顔は見えない。 

 

そばむく(側向)→ちょっと横を向いている姿、すこしそばむきたる姿がかわいらしい。

 

こころをやる→大声で叫んで気晴らしをする、こころをやる。

得意なことを自慢する、わがこころえたることを言ひ、こころをやる。 

 

 

 

こころゆく→満足するまで、こころゆくまで。

 

あく(飽)→なんとかしてアイスに十分満足したい、いかでアイスにあかむ。

 

 

こころばへ→介護の人が、心遣いをしながら洗ってくれる、こころばへありつつ洗ふ。

 

 

こころばせ→気配り、心遣いのある人でも、こころばせあるひとだにも、つまづいて倒れることがある。

 

 

こころまうけ(設)→苦楽を共にする、前もっての心の準備をする、こころまうけす。

 

 

てんき→天皇の気持ちが特に良いようだ、てんきことに、みこころよげなり。

 

 

げきりん(逆鱗)→龍の顎に下に逆さまに生えたうろこ。

法王がお怒りになった、げきりんありけり。

 

おどろく→何かを感じて目をさます、おどろく。 

 

あかす→避難された方々は、お休みにならないで夜を明かしなさった、大殿ごもらずしてあかしたまひてけり。

 

 

くらす→花を見ながら日が暮れるまで時を過ごす、昼間を過ごす、花見つつ、くらす。

 

 

よもすがら→一晩中、よもすがら、あやしている。

 

 

 

よは→夜半・夜中の、よはの月の光。 

 

 

 

よふかし→まだくらい早朝に、深夜に、よふかく、鳴きだしたホトトギス。

 

 

あけぼの→東の空が明け始め、ほのかに白い状態の時分、まだ暗いあかつきと明るくなる朝ぼらけの間の時間帯があけぼの。 

 

 

 

あした(朝)→(夕べ・宵・夜中・あかつき・あけぼの・あさぼらけ・あした)雪の降った朝、雪のふりたりしあした。 

つとめて→夙(つと・欠けた月と両手で持つの合わさった形・夜がまだくらいうちから仕事を始める)早朝 

 

 

きぬぎぬ(後朝)→衣衣・衣を重ねて一夜を共にした男女が翌朝になると、男が夜明け前に自分の衣を女性に渡して帰る。)三日間かよって餅を食べると結婚の公表となる。

 

(経)→数年が経過する、としごろ、ふ。(一語の動詞)

米原を経過していく、米原をていく。

 

 

(得)→姫を手に入れたいものだ、得てしがな。(一語の動詞) 

 

 

 

(寝)→人が寝ている夜中、たる夜中。(一語の動詞)  

 

 

 

こぞ(去年)→去年と今年を、こぞことし貫く棒のようなもの

 

 

 

ひとひ先日の風はどうでしたか→ひとひの風はいかなるか。

 

 

 

のわき→野原の草を吹き分けるような激しい風。台風。

 

 

ゆうづくよ→夕方に空に出ている月。ほの暗い月。

 

 

 

もち(望)→望月、満月。欠けるところのない、満ち足りている月。

 

 

ありあけづき→夜が明けてもまだ空に残っている月。

 

 

つごもり→月隠・月の最後の日。月末の数日。

月たち・月の初め→ついたち 

季節の初めに「立」をつけます。立春、立夏、立秋、立冬はご存じですね。同じく月の初めに「立」をつけて「月立」としたわけです。 

 

 

 

 

むつき→親類が集まり仲むつまじくする月。

 

 

 

きさらぎ→寒いので着物をさらに重ね着する月。

 

やよい→草木がいよいよ生い茂る月。 

 

うづきの花が咲く月 

 

さつき→早苗・なえを植える田植えの月。

 

みなづき→梅雨が明けて水がなくなる、涸れる月。

 

ふづき・ふみづき→七夕には詩歌を作り、書物を夜風にさらす月  

 

はづき→木の葉が紅葉して落ちる月。 

 

ながつき→夜が長くなってくる月 

 

かんなづき→出雲大社で全国の神様の会合が行われるので地元から神がいなくなる月。出雲の国では神有月。

 

 

しもつきがおり始める月。 

 

 

しわす→年末は僧までが走る忙しい月。

 

2022年02月02日

古文語彙36

第36回  たばかる・はかる・すかす・そらごと・やつる・やつす・さうぞく・なほし・かりぎぬ・さしぬき・すみぞめ・わたる・ありく・かち・しりぞくとぶらふ・おとなふ・よどむ・いさよふ・かたたがへ・つかはす・やる・おこす・ついで・たより

 

たばかる→源氏は平家を谷に追い落とそうと、たくらんだ、たばかりけり。

 

 

はかる→内々で企てたことが、ないないはかしりことが、もれてしまった。

 

すかす→幼い子をおだててなだめる、いときなき子をすかす。

 

 

そらごと→うその多い世の中、そらごと多き世の中。

 

やつる→たいそうひどく、めだたなくしていらっしゃる、やつれたまへり。  
やつす→誰とも知らせないでひどく、質素な身なりになっていらっしゃる、やつしたまへり。

 

 

さうぞく→装束・宮廷内で寝起きするため、仕えるときの服を常に用いる。女性は裳、唐衣、男性は文官と武官で違う服を着た。

 

なほし→礼服ではない、ただ(直)の服という意味。スーツであり烏帽子をかぶり、指貫の袴をはいている。

かりぎぬ→狩りの時に着用したスポーツウェア。袖口等くくられていて動きやすい。狩衣では宮中には入れない。ズボンは指貫。

 

さしぬき→ズボン、裾のまりにひもが付いていて、はいてからひもを絞って足首でくくる。直衣でも使える。

 

すみぞめ→墨汁で染めること。喪服、僧の衣に用いる。

 

わたる→あちらに行く、あちらにわたる。

こちらに来る、こちらにわたる。

前を通る、前をわたる。

生きていく手段、世わたるたづき。

一面に晴れる、はれわたる。

恋し続ける、こひわたる。

 

ありく→歩く、ありく、あゆむ。 

 

かち→歩いて参詣した。かちより、まうでけり。 

 

しりぞく→氷が厚くて、漕いでも漕いでも後ろへ後退する、しりぞく。 

 

とぶらふ→恩人の家にさあ、訪れよう、いざとぶらはむ。 

 

おとなふ→懸樋のしづくが、音を立てる、おとなふ。

無人の家なので訪れる人は、おとなふ人は、いない。 

 

よどむ→流れが順調に進まない、よどむ。 

 

いさよふ→ためらい、たゆたう波、いさよふ波。 

 

かたたがへ→陰陽道によると、行こうとする場所が忌み嫌うべきで、避けるべき方角(特定の方位神がいる)に位置している。そこで別の方角の家に行き、そこに一泊滞在してから、改めて目的の家に向かう風習。

 

つかはす→天皇がご自身で花を折って、姫にお贈りなさる、つかはす。

大使を外国に派遣なさる、つかはす。

やる→手紙を送る、やる。  
おこす→手紙をこちらに送ってくる、おこす。 

 

 

 

 

たより(手寄)→親が亡くなって、よりどころがなくなる、たよりなくなる。

機会のあるたびに、たよりごとに。

 

垣根の配置、垣根のたよりが趣深い。

 

 

 

 

 

 

ついで(次手・序)→料理には決まった順番がある、ついであり。

ちょうど良い機会、良きついでがあった。  

 

2022年02月02日

古文語彙37

第37回  ののしる・そしる・ずす・ものがたり・ことのは・しりうごと・いらふ・いろふ・いひしろふ・いひけついなぶ・くたす・ゆる・こぼつ・けつ・かこつ・とむ・わく・かしづく・ときめかす・ときめくおよすぐ・ねぶ・めづ・おもふ

 

ののしる→休み時間、校庭で生徒たちが大騒ぎする、ののしる。世間の評判が高い、ののしる大谷選手。

 

そしる→誹・謗・他人の話などして、けなしている、言ひそしりたり。

 

ずす・ずんず・じゅす→誦・サ変・酒を飲み、詩歌を声を出して吟じる、詩ずす。

 

 

ものがたり→女房たちが雑談、世間話などして、ものがたりなどして、集まり控え申し上げている。

 

ことのは→和歌は人の心を種として、いろいろな言葉と、よろづのことのはと、なったものである。

 

しりうごと→後言・どうして陰口など申し上げましょうか、しりうごとなど聞こえむ。

 

いらふ→答・もう一回呼ばれてから、返事をしよう、いらへむ。
いらへ→返事もしない、いらへもせず。

 

いろふ→綺・入追・関わり合う、口出しするはずでない人、いろふべきにはあらぬ人。

 

 

 

 

いひしろふ→ひどく疲れたと、互いに言い合う、いひしろふ。

しろふ→為入れ追ふ・しいれおふ・認め許したことをどうしてなのかと追求する

 

 

 

 

いひけつ→言消・自分はおやつを食べていないと、否定した、いひけちたり。

 

 

 

 

 

いなぶ→否・結婚しろと言われることを、ひたすらお断り申し上げる、ひたぶるにいなび申す。

 

くたす→腐・花や実を腐らせる長雨、花をくたす長雨。

 

 

 

ゆる→許・少女なのに、刀を持つことを、許されてしまった、ゆりにけり。

 

 

 

 

こほつ・こぼつ→四段・毀・犬が砂山を、壊してしまいました、こほちはべりにけり。


こほる→下二段・台風で屋根がこほれぬ。

 

けつ→消・燃える火を雪で消す、燃ゆる火を雪でけつ。

 

かこつ→託・酔いにかこつけて、ゑいにかこちて、苦しそうなふりをする。

実現しなかった恋人との約束に恨み言を言う、あだなるちぎりをかこつ。

 

とむ→求・下二段・私の家を、たずねてきてほしい、とめこかし。(こ・来)

 

 

 

 

 

 

わく→分・下二段・日本は昔三十三カ国であったのを、そう遠くない昔六十六カ国に分けられたそうである、なかごろ六十六カ国にわけられたるなり。

 

かしづく→頭付・大切に育てている、かしづく娘が三人います。

 

 

ときめかす→天皇が寵愛しなさることが、ときめかしたまふことが、このうえないほどだ。

ときめく→それほど高貴な身分ではない人で、特別に寵愛を受けていらっしゃる方があった、すぐれてときめきたまふありけり。

 

 

 

およすぐ・およずく・およすく→うつくしく、成長していらっしゃる、きよらにおよすけたまへり。


ねぶ→上二段・実際の年齢よりもはるかに、成長しおとなびていらっしゃる、ねびさせたまふ。

 

 

 

 

めづ→愛・下二段・音楽を、愛する娘、めづる めのこご。



おもふ→私の愛する人、わがおもふひと。


 

2022年02月02日

古文語彙38

第38回  まもる・みいる・みだす・みおこす・ならふ・まねぶ・ざえ・あそび・ものす・したたむ・わりご・をしき・しほたる・ねをなく・きりふたがる・そでをしぼる・うんず・こうず・かしこまり・とが・よろこび

 

まもる→目守・子供が虫の動きを、じっと見つめる、まもる。

 

みいる→見入・下二段・隙間から、中をのぞいた、みいれつ。

 

 

みいだす→見出・四段・寝られなかったので、中から外を見て横になっている、みいだしてふせり。

 

 

 

みおこす→見遣・下二段・月が出ているような夜は私のいる月を、こちらを見てください、みおこせたまへ。

 

ならふ→馴・慣・四段・電車通学にも、慣れた、ならひけり。

田舎の生活にまだ、馴れ親しんでいらっしゃらない、ならひたまはず。

 

 

ならふ→習・お習字をお習いなさい、御手をならひたまへ。

 

 

まねぶ→真似・オウムは人の言うようなことを、まねるとかいうことだよ、まねぶらむよ。

 

 

 

ざえ→才・学識の深い先生、ざえふかき師。

 

 

 

 

あそび→夜が更けるまで、管弦の催しを、あそびを、なさっているようだ。

 

 

あそび→白い鳥が水の表面で、自由に動き回りながら魚を捕って食べる、あそびつつ魚をくふ。

 

ものす→do・いろいろな動作を間接的に表現する動詞。できるだけこっそりと行こう、いとしのびてものせむ。気分が悪いと言って、何も飲んだり食べたりしなさらない、ものも、ものしたまはず。

 

 

したたむ→万事を処理なさる、よろづのことども、したためさせたまふ。

手紙を書き記す、ふみしたたむ。

酒もご飯も飲食しない、さけもいひもしたためず。

 

 

わりご→破籠・ヒノキのうすい白い板で作った弁当箱。

 

 

 

をしき→折り敷き・杉やヒノキの薄くはいだ板で作った食器や供え物を乗せる四角いお盆。

 

しほたる→潮垂・下二段・人知れず、涙で袖が濡れたことだ、しほたれけり。
ねをなく→音泣・四段・子供が、声を上げて泣く、ねをなく。
そでをしぼる→袖絞・四段・泣かない人はいない、そでをしぼらざるひとなし。
きりふたがる→霧塞・ここ何日かは、涙でものがはっきり見えない、なみだにきりふたがる。

 

 

うんず→倦・サ変・世の中がいやになって、よのなかうんじて。がっかりして皆帰った、うんじてみなかえりぬ。

 

 

こうず→困・サ変・物の怪退治にかかわって、疲れてしまった、こうじにけり。

毎日責められて、困る、こうず。

 

かしこまり→畏・参上できないことのお詫び、えまゐらぬことのかしこまり。

わざわざ来ていただきまして、おそれおおく恐縮で、かしこまりで、ございます。

せめてお礼だけでも、かしこまりをだに、申し上げたい。

 

とが→咎・犯罪者、とがのもの

 

 

よろこび→任官、叙任のお礼を天皇に申し上げる、よろこび奏す



 

2022年02月02日

古文語彙39

第39回  ふみ・て・としごろ・かたち・けしき・けはひ・みち・なさけ・かへし・もと・すゑ・こしのく・おもてうた・ふうが・ほど・よのなか・ちぎり・とく・十二支・とうぐう・きたのかた・つかさ・ぢもく・おとど・かんだちめ・くらうど・きんだちずいじん・とねり・うち・てんじょうのま・つぼね・おほとなぶら・きちゃう・しとみ・すいがい・せんざい・やりみず・とのゐ・めのと・ふるさと・さと・がり・ひじり・あま・うしろみ

 


ふみ→文・心のこもった手紙、ふみ。

書物、ふみを広げる。

李白の漢詩を、ふみを詠む。  

学問、ふみ、の道はきびしい。  

 

 

 

→手・筆跡、文字を上手に書く、てよくかく。

 

としごろ→長年の間、としごろ、よくつきあって親しくしてきた人。

 

 

 

かたち→貌・姫の容貌が清らかで美しい、かたちきよらなり。

 

けしき→気色・物思いにふけっている様子、ものおもへるけしき。(視覚) 

 

けはひ→気配・秋の様子、あきのけはひ。(視覚以外で感じる雰囲気)

 

 

みち→道・専門の方面を学ぶ人、みちを学する人。

仏道、学問、芸術など。   


なさけ→情・優雅で情趣を解する心、風流心の深い僧、優になさけふかきひと。  

かへし→いただいた歌の、返歌を、かへしを、箱に入れて返す。

 

もと・すゑ→本・末・多くの歌の上の句を、もとを、仰せになって、この歌の下の句は、すゑは、何かとお尋ねになる。  

こしのく→和歌の第三句・中心となる句(腰折れ・上の句と下の句がうまくつながっていない)

おもてうた→私の作品の中では、この和歌が、代表的な歌と思っています、これをなむ、おもてうたとおもひたまふる。(たまふる・下二段) 

 

ふうが→お前はともに俳諧を語るにふさわしいもの、ふうがをかたるべきもの、である。

 

 

 

 

ほど→程度・身分・時間・空間→明るさは毛穴まで見える程度である、みゆるほどなり。

更衣と同じ身分や、おなじほど、それより低い身分の更衣たち。

時間がたてば、ほどへば、気が紛れる。

遠い距離である、はるかなるほどなり。  

よのなか→男女の仲のこと、よのなかのこと、はよくわかっている。

 

 

 

ちぎり→むだになってしまった約束、あだなるちぎり。前の世においても因縁が、おんちぎりや、深かったのだろうか、この世にまたとないほどの美しい男のお子様までお生まれになった。

 

とく→徳・商売の、利益が自然と出てきて、とくおのづからありて。

 

 

十二支→時間(夜中の11時から午前1時・子の刻)方位(子が北)

 

とうぐう・春宮→皇太子の住む宮殿・東方は春の季節に配置する五行説。

 

 

きたのかた→寝殿造りの家屋で、奥の方の、北の対屋に住んでいるのは、妻、奥様。

 

 

 

つかさ→役所、つかさに命令して、役人、つかさを呼び出す。

任命の儀式において官職を手に入れられない家、つかさえぬひとのいへ。 



  

ぢもく→目録から前任者の名前を除き、新任者の名前を書きこむ。

地方官は、あがためしのぢもく、中央官吏はつかさめしのぢもく。

 

 

 

 

 

おとど→御殿の造り具合、おとどのつくりざま、や飾り付けの様子がすばらしい。

この大臣、このおとど、にはこどもがたくさんいらっしゃる。   

 

 

かんだちめ→摂政、関白、太政大臣、左大臣、右大臣、大納言、中納言、参議まで会議に参加できる三位ランク以上のスーパー貴族。清少納言の時代で全国で二十三人。 

  
てんじょうびと→天皇が仕事をしている部屋である殿上の間に上がることが許された上級貴族。

原則三位、四位以上で紀貫之は知事レベルですが昇殿できません。

四位、五位でも特別の許可があれば殿上人になれたようです。

清少納言の時代で百人程度

 

くらうど→皇室の文書、道具の納めてある蔵を管理する人。天皇の日常生活の衣服、食事も世話し、訴訟、天皇へのメッセンジャーとしての事務管理、除目、節会などの儀式などを執事として執り行った。

 

 

きんだち→きみたち・きむだち(君は敬称、たちは複数)身分の高い人の子供。

男女どちらでも、複数単数どちらでも使う。   

 

ずいじん→弓矢、刀を持つ貴族のガードマン。

近衛府に勤めている近衛兵が朝廷の命令に応じて貴族を護衛した。

現在は警視庁に皇宮警察という付属機関が設けられていて、普通の警察官とは違う皇宮護衛官という公務員が近衛兵の仕事をしている。

制服も君らの知っている警察官のものとは全く違い、桂離宮などの見学をするときなどは、見学者に付き添い、悪さをしないか見張られている。(不審者と思われたのか、私から離れようとしなかった。)

皇族の参拝などの先払いをする護衛官が今でも存在する。

 

 

とねり→下級役人、掃除、洗濯、宿直、護衛、馬の口取り、牛を引いて牛車の運転、何でもやる。   
うち→宮中。  

 

 

てんじょう→殿上の間は清涼殿にある。天皇が普段の仕事をしておられる建物。

 

 

 

つぼね→大きな建物の中の仕切りをした小部屋。

板や壁で固定的に仕切りを付けた部屋、一時的に几帳や屏風で仕切った部屋の両方を局と呼ぶ。

ざうし→宮中、役所の中の部屋。曹司。

局も曹司も小部屋だが、局は主として女性の使用が多いようだし、曹司は男女ともに執務室と言ったイメージがありそうだが、明確な違いはわからない。

曹司は中国の男性官僚の部屋の呼称であり、その影響からか平中物語などは局は使われていない。

落窪や宇津保あたりから局の用例が増えていると先生から聞いたことがある。 

 

 

おほとなぶら→大殿油は宮中で使う脚の長い台の上の皿部分に油を入れ灯心を使った明かり、灯火であり電気スタンドのようなもの。

 

 

きちゃう→保健室にあるような仕切りの移動式のカーテンのようなもの。

Tの字の形をした横木に柱を付けた形で横木に帷子・かたびらという吹き流しをばらしたような布を垂らして作られている。

 

しとみ→障子の格子の部分に、紙ではなくベニヤを張ったような戸。 

 

 

 

すいがい→透き垣・板や竹で少し間をあけて作った垣根。 

 

 

せんざい→前栽・自然のままの山野の姿をそのまま移そうと春や秋の草木を植えて庭の植え込みを作った。

 

 

やりみず→外部から引き込んだ水の流れを、寝殿造りの家屋の寝殿と対の屋の建物の間を廊下に沿って流れるようにし、さらに緩やかに曲がりながら池に注ぎ込むように作った。

自然の美しさを愛でるとともに、京都の暑さをしのぐという庭園設計に基づいたちいさな流れ。 

 

 

とのゐ→職務として貴族の家に宿泊して警護、事務等の仕事をすること。貴族との話し相手もしていた。

 

 

 

めのと→母親に代わって貴族の子供に乳を飲ませ、守り育てる仕事をする女官。

乳が出ると言うことは自分にも幼児がおり、この子を乳母子という。

 

 

ふるさと→生まれ故郷という意味もあるが、古くからのなじみの土地もふるさとという。

 

 

 

さと→宮中に仕えている人が、内裏・うち・宮中に対して自分の実家をさとと言う。

 

がり→許・京都にいる医者の所へ連れて行く、くすしのがり、ひきゐていく。 

 

 

ひじり→柿本人麻呂は歌の道で最も優れた人であったよ、柿本人麻呂なむ、うたのひじりなりける。

 

あま→海人・漁師の釣り舟、あまのつりぶね。

 

 

うしろみ→この社長が、きっとこの子の後見人、世話をする人なのでしょう、この子の、うしろみなるべし。   


 

2022年02月02日

古文語彙40

第40回   副詞表現

 


さらに→その秘密は決して言うな、さらにいふなかれ。龍の姿は全く見たことがない、さらにまだみず。  
すべて→全くそのことはあるべきではない、すべてその儀あるまじ。  
たえて→世の中に全くテストがなかったならば、たえてテストのなかりせば。  
かけて→少しも心当たりがない、かけておもひよらず。  
おほかた→水車は全く回らなかった、おほかた、めぐらざりけり。  
つやつや→きれいさっぱり、完全に忘れていた、つやつやわすれてけり。  
よに→決して劣らないだろう、よにおとらじ。  
つゆ→少しも間違うことがなかった、つゆたがふことなかりけり。  
をさをさ→冬枯れの風景は秋にはほとんど劣らないだろう、をさをさおとるまじ。  
よも→ぐっすり寝ているので、まさかお起きにならないだろう、よもおきさせたまはじ。

 


いさ→貴方の心は、さあどうだかわからない、いさこころはしらず。

 


え→相談することなどもできない、ひとかたらひなども、えせず。  
えもいはず→笛を言葉で言い表せないほど上手に(下手に)吹く、えもいはずふく。  
えならず→中国の、なんとも言えないほどのすばらしい道具類、えならぬ調度ども。

 


な~そ→失敗を笑わないでくれ、なわらひそ。ここに来ないでくれ、なこそ。そんなひどいことをしないでくれ、なせそ。  
ゆめ→決して他人に言うな、ゆめひとにいふな。全く知らない、ゆめしらず。  
ゆめゆめ→決して女の人に近づいてはいけない、ゆめゆめにょにんにちかづくことなかれ。  
あなかしこ→決して他人に語りなさるな、あなかしこ、ひとにかたりたまふな。



 

2022年02月02日

古文語彙41

第41回   疑問表現

 


など→どうして長い間来なかったのか、などひさしくは、みえざりつるぞ。どうしていやなものだとお思いになって良かろうか、いや良くない、などうとましきものにおぼすべき。  
なんでふ→何と言ふ・どれほどのことがありましょうか、なんでふことか、さふらふべき。どうしてもののけがとりつくことがあろうか、いやない、なんでふもののけのつくべきぞ。  
いかに→どうしてこのように言うのか、いかにかくいふぞ。  
いかがは→どのように言ったら良いだろうか、いかがはいふべき。  
いつしか→いつになったら、いつしかと、帰ってくるだろうかと待っている妻。早く梅が咲いてほしい、いつしか梅咲かなむ。  
いづら→どこと、いづらと私に尋ねる。

 


とかく→あれやこれやとしながら、とかくしつつ。  
かつ→水の泡は、一方では消え、同時に一歩ではできて、かつきえ、かつむすびて。  
はた→これもまた、いまさら言うまでもない、はたいふべきにあらず。  
しか→そうではあるが、しかはあれど。  
いま→新たにつくる都、いまつくるみやこ。近いうちに秋風が吹くだろう、いま秋風吹かむ。

 


やをら→ゆっくりと、やをら立ち上がる。  
きと→近づくと、さっと、きと、実体のない影になってしまった。  
つと→他には行かないで、そのままじっと、つと、そこにいた。  
むねと→一生のうちで、第一にこうありたいと望むこと、むねとあらまほしからむこと。  
わざと→わざわざ焚いたとも思われない香のかおり、わざとならぬにほひ。  
ふりはへて→このような気持ちで、わざわざ来た、ふりはへきたり。(ふりはふ・ことさらに物事をする)

 


さすがに→これが自分の探していた山だろうと思っているが、そうはいうもののやはり恐ろしく思われる、さすがにおそろしくおぼゆ。  
ほとほと→殆・もう少しで死ぬところだった、ほとほとしにき。  
れいの→例・いつものように集まった、れいのあつまりぬ。  
かつがつ→思っていることが、ともかく、何はともあれかなった、かつがつかなひぬ。

 

2022年02月02日

古文語彙42

第42回  げに・なべて等、漢文表現にもある語句

 


げに→本当に、げに、恋こそはまことの命である。  
けに→異・以前よりも、よりいっそう、けに、愛を語らうようになる。  
とみに→起こしたが、急には、とみには、起きない。  
まだき→私の袖に、まだその時期でないのに、まだき、時雨が降ったのは。  
なべて→田舎の人は、一般に、なべて、こころが穏やかである。  
せめて→ひどく、無理と思えるほど、せめて、苦しいまでに太っている  
とく・漢文表現では→すみやかに・速やかに  
はやう・漢文表現では→すでに・既に  
やうやう・漢文表現では→ようやく・漸く  
しばし・漢文表現では→しばらく・暫く  
やがて・漢文表現では→すなはち・即ち  
なかなか・漢文表現では→かへりて・却りて  
かねて・漢文表現では→あらかじめ・予め  
かたみに・漢文表現では→たがひに・互いに  
いと・漢文表現では→はなはだ・甚だ  
いとど・漢文表現では→ますます・益々  
まして・漢文表現では→いはんや・況んや  
いかで・漢文表現では→ねがはくは・願はくは

 


おのづから→自・己・大勢の人を前にしても、一人に向かって話せば、自然と、おのづから他の人も聞く。旅行中に、偶然、おのづから、大学時代の友人と出会った。  
みづから→身・一流の人は、自分自身で、みづから、自分の欠点を知っている。  
みながら→そこにいる人は残らず全員、あるひと、みなながら。  
さながら→然・宝ものが残らず全部、さながら、焼けてしまった。  
おのがじし→己・為・各自それぞれの仕事、おのがじしのいとなみ。

 


ここら ・ここだ・ここだく→幾許・ガンダム像の前に、たくさんの、ここらの人が集まる。松虫が、こんなにひどく、ここら、鳴いている。  
そこら→多くの年にわたって、そこらの年ごろ、たくさんの黄金を、そこらのこがねをくださる。。  
そこば・そこばく→許多・たくさんの贈り物、そこばくのささげものを木の枝に付ける。  
あまた→数多・女御や更衣が、たくさんお仕えしておられる、あまたさぶらひたまふ。

 

2022年02月02日

古文語彙43

第43回  されば・さりとも・さるは・あな・いざ等の表現

 


されば→然・さあれば・そうであるから、されば、学ぶ、学ばないによって将来が決まってくる。  
さればこそ→やっぱり、思った通り、さればこそ、別の動物の皮であった。  
さらば→さあらば・自分で掃除しろ。そうであるならば、そうしたら、許そう、さらば、ゆるさむ。それではさようなら、さらば。  
されど→さあれど・世間ではどちらが良いかはわからないという人が多い。けれども、されど、自分の気持ちとしては、良くないと思う。  
さはれ→さはあれ・自分の実子なのだから放ってはおかないだろう。それはそうだが、さはれ、今の扱いはひどすぎる。なるようになれ、let it be、さはれ。  
さりとも→さありとも・約束したのだから、そうであっても、いくらなんでも、さりとも、置き去りにはしないだろう。  
さらでも→さあらでも・霜の白さは冬にぴったりだ、そうでなくても、さらでも、大変寒い朝に火などを急いでおこして廊下を急ぐ姿も冬の朝にふさわしい。

 


さるは→さあるは・彼は楽しそうだ。それというのは、さるは、最近ガールフレンドができたからのようだ。(順接)  
さるは→さあるは・彼はワンマン社長で威張っている。それでいて、そうではあるが、さるは、家では養子なので奥さんに頭があがらないらしい。(逆接)  
さては→成績をあげさせようと工夫しているようだ。しかし、そのままの状態では、さては、無理だと思う。年配の人が二人いる。そのほかには、さては、子供も数人いる。  
さても→ここでお会いできて、大変うれしい。ところで、それにしても、さても、貴方は何歳におなりですか。

 


あな→ああすばらしい、あなめでたや。  
あなかま→あな・かまびすし・恥ずかしいと思って、「声が高いよ、しっ、静かに、あなかま」と子供たちに注意する。  
あなかしこ→ああ畏れ多いことだと言って、あなかしことて、宝を箱に入れる。  
あはれ→ああ、もうけものをしたよ、あはれ、しつるせうとくかな。(所得・せうとく・得をすること)  
いざ→さあ、見よう、いざや、みむ。  
いざたまへ→さあ、いらっしゃい、いざ、たまへ。(いさ→さあどうだかわからない)  
いで→いやもう、おやまあ、子供っぽいことよ、いで、あなをさなや。  
いかに→おい、もしもし、いかに、佐々木殿、手柄を立てようとして油断なさいますな。

 


さる→鯨の肉、そういうものは、さるものは食べたことがない。別当入道は、相当に立派な人物であって、さるひとにて。  
さるべき→さあるべき・そうなるはずの、さるべき前世からの約束がおありになった。娘を、ふさわしい男と結婚させる、しかるべきひとにあづく。  
さりぬべき→さありぬべき・この中にふさわしいもの、適しているもの、さりぬべきものはありますか。やはり、立派な人、相当な身分であるような人の娘、さりぬべからむひとのむすめ、の中からえらびましょう。  
かかる→かくある・このような機会に、かかるついでに、見に行きましょう。  
2021年11月27日(土)

 

2022年02月02日

古文語彙44

む・らむ・けむ・す・ふ  
む(will)→明日は 雨 ふらむ(降る・む)日が暮れたので家にかえらむ(帰る・む)汝こそいかめ(行く・む・may)お化け屋敷は心のよわからむ人は行かない方がいい(弱し・む・ような)。  
  
らむ→ふるさとでは 雪が ふるらむ(降る・らむ・今ごろは降っているだろう)のどかな春の光が降り注いでいるのに 花が ちるらむ(散る・らむ・どうして散るのだろう)オウムは人の いふらむ(言ふ・らむ・ような)ことを まねぶらむ(まねぶ・真似をする・らむ・とか言われている)  
  
けむ→今年に比べて去年の冬はもっと さむかりけむ(寒し・けむ・たのだろう)昔の偉い人の いひけむ(言ふ・けむ・たとかいう)言葉。君が遠足で きけむ(着る・けむ・ていたような)服をさがしたい。  
  
す(奈良時代)→ お姫様が 若菜を つます(摘む・す・でいらっしゃる)  
す(平安時代)→使役(させる・おつかいに 行かす))尊敬(なさる・姫が わらはせたまふ・・笑ふ・す・たまふ)  
  
ふ(奈良時代・keep~ing)→ あの人は秘密を かくさふ(隠す・ふ)  
ふ(平安時代)→動詞に変わる・語らふ・住まふ・移ろふ・呼ばふ

 

2022年02月02日

古文語彙45

明日は雨が降るだろう。→海深み(海が深いので・海が深いと見えるので)→見(みる)~と私は見る・み→む→降る+む→ふらむ  
東京に行くつもりだ。→行く+む→いかむ  
あなたが行くのがよい。→君こそ いかめ。(上に「こそ」が付くと「む」は「め(已然形)」に変形する。  
体の弱いような人→弱しプラスむ→弱からむ人  
  
今ごろ北陸では雪が降っているだろう。→動詞の「あり」プラス「む」・降る状態があるだろう→降るプラスらむ→ふるらむ  
どうして花が散るのだろう。→散るプラスらむ→ちるらむ  
真似をするとか言うようだ。→学ぶプラスらむ→まねぶらむ  
  
去年の今ごろはもっと寒かっただろう。→過去の「き・け」プラス「む」→寒しプラスけむ→さむかりけむ(寒しは下にけむが付くときは、さむかりに変形する。)  
昔の人に言ったとか言う言葉→言ふプラスけむ→いひけむ言の葉  
明日は雨が降るだろう。→海深み(海が深いので・海が深いと見えるので)→見(みる)~と私は見る・み→む→降る+む→ふらむ  
東京に行くつもりだ。→行く+む→いかむ  
あなたが行くのがよい。→君こそ いかめ。(上に「こそ」が付くと「む」は「め(已然形)」に変形する。  
体の弱いような人→弱しプラスむ→弱からむ人  
  
今ごろ北陸では雪が降っているだろう。→動詞の「あり」プラス「む」・降る状態があるだろう→降るプラスらむ→ふるらむ  
どうして花が散るのだろう。→散るプラスらむ→ちるらむ  
真似をするとか言うようだ。→学ぶプラスらむ→まねぶらむ  
  
去年の今ごろはもっと寒かっただろう。→過去の「き・け」プラス「む」→寒しプラスけむ→さむかりけむ(寒しは下にけむが付くときは、さむかりに変形する。)  
昔の人に言ったとか言う言葉→言ふプラスけむ→いひけむ言の葉

 

2022年02月02日

古文語彙46

ア段→「あかさたなはまやらわ」ウ段→「うくすつぬふむゆるう」  
ア行→「あいうえお」ハ行→はひふへほ」  
  
活用→文章の意味が通るように、語の形がかわること。行くプラスず→いくず→いか・ず。活用する語は、動詞、形容詞、形容動詞、助動詞の四つ。詞とは→動詞→動作をあらわす言葉(詞)  
  
どれくらい活用するのか(形が変わるのか)→六つの形があります。  
①まだ事実が起こっていない形(未だ然らず)  
②後に続く動詞や形容詞に連なる形(連なる用言)  
③終わって止まる形(終止形)  
④ものに連なる形(連なる体言・名詞)  
⑤すでに事実が起こっている形(已に然る形)  
⑥命令するときの形。  
然→しかり→そのようである。  
未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形→これは、この順番で覚える。  
  
次も覚える。  
未然形は「ず・ざ・で・じ・む・ナイ」につく形。「ば」にもつく。  
連用形は「て・テン・き・けり・つ・ぬ・たり・マス」  
終止形は「と・マル・べし」  
連体形は「を・に・の・は・が・名詞」  
已然形は「ども・ば」  
命令形は、命令。  
  
咲くの未然形→さくプラスず→さかず(さか→これが未然形・ずは形を見るために付けただけ)花咲かず→花が咲くという事実はまだ起こっていないから未然形と呼ぶ。  
  
四段活用→カ行四段活用・咲く  
未然形→さか  
連用形→花が咲いて散る→咲き散る→散るは動詞。動詞、形容詞、形容動詞を用言と言う。下にある用言に連なる形だから、連用形→さき  
終止形→花咲く。→さく  
連体形→咲く花→花はものの名前を表す名詞、名詞は体言とも言う。体言に連なる形、連体形→さく  
已然形→咲くのは咲いたが、すぐに散ってしまった→咲けども散る→すでに咲くという事実は起こっているので已然形→さけ  
命令形→花咲け。→さけ  
  
順番に並べてみる→「さか・さき・さく・さく・さけ・さけ」となる。「さ」は同じ。二番目の文字だけ並べてみると「か・き・く・く・け・け」となる。  
カ行「かきくけこ」のア段の文字→か・イ段の文字は「き」ウ段の文字は「く」エ段の文字は「け」→「ア段・イ段・ウ段・エ段」の合計四段にわたって形が変わっている。→カ行において四段にわたって活用する動詞となる。  
  
係り結び(中学で学習した方)という次の現象もご存じかな。  
花なむ咲く(この場合、咲くは連体形)花こそ咲け(この咲けは已然形)  
さらに「り」をつけると、花咲けり(この場合、已然形・り・完了存続の助動詞)  
まだ、わからない→それでいい、わかるまで頑張ってみるかね。いやなら無視すればいい。知らないよって。  
  
上一段活用  
見る→桜を見ず(み)桜を見て(み)桜を見る(みる)桜を見る時(みる)桜を見れども(みれ)桜を見よ(みよ)→み・み・みる・みる・みれ・みよ  
ゐる(居・率)→先生が生徒を率ず(ゐ)生徒を率て(ゐ)生徒を率る(ゐる)生徒を率る時・生徒を率れども(ゐれ)・生徒を率よ(ゐよ)→ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ  
同じように二番目の文字だけ並べると、□□るるれよ・これではわからない。み・み・みる・みる・みれ・みよ、これなら、わかりやすい。マ行で考えるとイ段だけ、一段だけ使っている。そこでマ行一段活用となるのだが、どの段を使うのかをはっきりさせるためか、ウ段を中心にして、どの段を使っているのかを示している。実はイ段とウ段の二段を使う動詞もある。そこでウ段の上の一段だけを使うと言うことで、上一段と名付けられている。マ行上一段活用と呼ぶ。  
  
同じくウ段の下の一段だけ使うものを下一段活用、イ段とウ段の両方使うものを上二段、ウ段とエ段を使うものを上二段と呼ぶ。  
  
下一段活用  
蹴る→球を蹴ず(け)球を蹴て(け)球を蹴る(ける)球を蹴る時(ける)球を蹴れども(けれ)球を蹴よ(けよ)・命令形に注意してください。現代では「蹴れ」ですよね。→け・け・ける・ける・けれ・けよ(エ段のみ使用しています)  
  
文法学者、権威と呼ばれる方が四名おられます。山田文法、松下文法、橋本文法・時枝文法と呼ばれています。学校文法は福井出身の橋本進吉博士の考えが主として採用されているようです。四名とも少しずつ考え方が違うわけで、ということはあまり文法は絶対だと考えなくても良いということかもしれません。



 

2022年02月02日