古文語彙4
第4回 あはれなり・をかし・おもしろし・すごし
あはれなり→秋の夕暮れの風景は趣がある、あはれなり。生まれたばかりの我が子に対し「ああ」は何か感じる、こんなことがあるのかと思うほど素晴らしい、あはれなり。
これでいいのか、なんとかならないのか、あはれなり。
情趣において(心にしみじみしみてくる)あはれなり。人情において(相手に対し心から愛情を感じる)、あはれなり
をかし→スポーツカーは興味深く、をかし。飛び交う蛍はをかし。対象に興味があり、明るい気持ちでクールでかっこいいなあと思う感情。
をこ(愚かなもの)という説もあり、滑稽であるという意味でも使われる。
あはれなりが相手の中に入り込んでいくような感じであるのに対し、をかしは対象を外部から客観的に見て面白みや快感を感じるような表現である。
をかしげなり→赤ちゃんのたいそう愛らしい指、いとおかしげなるおよび。
をかしがる→日本語から英語の単語ができたsushiを、興味深く思う、をかしがる。
おもしろし→満開の桜はすばらしい、おもしろし。おも(目の前)しろし(著し・明るくはっきり)目の前が明るくなった感じ。
はな→万葉集では、はなは梅、古今集以降が桜。
能では秘密にするから、芸の魅力なのである、秘すれば、はななり。昔の歌はみなこころばかりを重視して、表現の美しさを忘れている、はなをわすれり。
かげ→東から西へ大空を渡っていく、日の光、日のかげ。
自分のふるえている姿、わがふるひけるかげ、が映っている。母の面影さえ覚えていない、ははのかげだにおぼえず。
すごし→あられの降る夜はぞっとするほど寂しく、すごし。
幽霊屋敷はぞっとするほど恐ろしく気味が悪く、すごし。→直(直ぐ・じかに)過(度を超している)醜(しこ・強く恐ろしい)。寒く冷たく骨身にしみて、すごし
すごげなり→深い森を、不気味に思っている、すごげにおもひたり。