古文語彙34
第34回 仏道修行関係の語句・陰陽道関係の語句・あふ・おもひおきつ・おきつ・おこたる・せうそこ・さた
おこなふ→仏道修行(断食、滝行、写経、礼拝など精神的に修養することを目指し生活全般にわたっての修行全般を含んでいます。)
勤行(仏道修行の中の一つの行を指し、お経を声を出して読むことです。)
かしらおろす(頭)→比叡山にのぼって、頭髪を剃り、僧として出家した、かしらおろしてけり。
みぐしおろす(御髪)→その貴族は予想に反して出家しなさってしまった、みぐしおろしたまひてけり。
かたちをかふ(形変)→姫は、出家してしまおうと思いたちなさる、かたちをかへてむとおぼしたつ。
よをそむく(世背)→世を捨て出家した草の庵、よをそむける草の庵。
ほっしん(発心)→悟りを得ようとする心を発する、仏道に入り出家する。
てら→三井寺(天智・天武・持統天皇が産湯として三井寺の井戸の水を使ったという言い伝えがある。)
寺門派の拠点・藤原道長、源頼政がパトロン・同じ天台宗だが法華経の解釈が違う円珍が比叡山を下りて独立。
やま→比叡山・比叡山延暦寺・山門派の拠点・平清盛がパトロン・同じ天台宗だが法華経の解釈が違う円仁。
みまかる→恋人が亡くなった、いも、みまかりけり。
おくる→遅れまいと馬を走らせる、おくれじと馬はしらす。
十才ぐらいで父に先立たれる、父におくれり。
すくせ→私がこうなったのは宿命であって前世の因縁が悪かった、すくせのつたなかりけり。
さきのよ(前世)→この世に生まれる前の世においても、縁が深かったのであろうか、さきのよにも、ちぎりやふかかりけむ。
のちのよ(後世)→死後の世界のことなどを教え申し上げる、のちのよのことなど、きこえしらす。
いんが(因果)→因果応報・前に行った善悪の行為が、それに対応した形で結果となってあらわれる。
親の因果が子に報い→親の行った悪い行為が、罪もない子供に悪い結果としてあらわれる。
うつせみ→現臣・うつしおみ・うつそみ・この世の人、うつせみと思っていた恋人、うつせみとおもひし妹が実は死んだ彼女の霊であった。
(空蝉・蝉の抜け殻・はかないこの世という意味で使われる)
うつつ→夢か現実か、ゆめかうつつか。
うつしごころ(現心)→しっかりした意識もなく、うつしごころなくまどろむ。
かぢ(加持)→手で印をつくり口に真言をとなえて仏の法力によって病気や災難を取り除く、調伏する、退治する。
しるし(験)→神仏がくださる霊験、御利益、祈願したことの実現。
もののけ(物怪)→はっきりした実体を持たない感覚的な存在、人にとりついて病気を起こさせたり、死なせたりする悪霊。死者の怨霊。生きている人の生き霊
ことだま(言霊)→言葉に宿っていると信じられた不思議な力。言葉のことと、現実の事のことが同じと考えられ、その人の名が汚されると、その人の身体が傷つき、男に名前を教えることは、女がその男のものになると言うことだった。
ちしき(知識)→修行を積むことで仏道と私とに縁を結ばせてくれる、徳の高い僧。
むじゃう(無常)→すべてのものは絶えず変化して不変がないこと。
つゆ(露)→かげろうのはかない命、つゆのいのち。
ねんず(念)→サ変・眠いのを我慢して、ねんじて頑張る。
心の中で神に祈る、ねんず。
あふ(敢)→霜に堪えきれず枯れてしまった菊、霜にあへず枯れにし菊。
おもひあがる→自分こそはと自負している、われはとおもひあがれり。
おもひおきつ(掟)→死後の家族のことまで、前もって心に決めようとすること、おもひおきてむことなどは、むなしいことだろう。
おきつ→下二段・父などがあらかじめ決めておいた家、父などのおきてし家。
ものいみ→日や方角が悪いと陰陽道で判断されたら一定期間家にこもり心身をつつしむ。
こといみ→不吉な言葉を使うことを避ける。
(現在、結婚式で別れ、切る、離れる、冷める、戻る、消えるなどはスピーチでは使いません。)
おこたる(行垂)→ずっと病気をしていた人が良くなった、なやみわたる人がおこたりぬ。
せうそこ(消息)→何日かが経過するまで、手紙をやらない、せうそこつかはさず。
さた(沙汰)→やむを得ないと言って、その後知らせがなかった、さたもなかりき。